第4章:日常と非日常
第96話「弓」
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アと優輝に、椿は視線を行ったり来たりさせる。
葵は葵で、人に見られない場所でよかったと密かに安堵していた。
「ん、っ〜〜.....!」
アリシアも恥ずかしい所があるのか、声だけは漏らさないように空いている手で口元を抑えていた。
そして、十数分後...。
「あ、あまり女の子にはしないようにね!」
「お、おう...?まぁ、あの様子じゃ、仕方ないか...?」
顔を赤くしながら言うアリシアに、優輝もタジタジになりながら頷く。
優輝自身、アリシアの様子に少し恥ずかしくなっていたのだ。
「さて、休憩も終わったから再開するわよ!」
「えっ!?も、もう!?」
「優輝に色々してもらったんだから回復してるでしょ!ほら、早く!」
捲し立てるように急かす椿に、アリシアは慌てて?を付け、弓を持つ。
ちなみに、?とは弦を引く手に付ける弓道用の道具だ。
「かやちゃん、もしかして苛立ってる?」
ドッ
「何か言ったかしら?」
「れ、霊力込みの矢...。」
葵の余計な一言に、椿は敏感に反応し、アリシアが持ってきた矢を霊力を込めて射った。
なお、この矢はアリシアが弓道部で買った物で、部活共有の物ではない。
「さ、さすがに効いたぁ...。」
「余計な事を言わない!」
「わ、私の矢が...。」
さすがに葵にも、その矢は痛かったらしい。...あまり効いてはいないが。
「よっと...よし、曲がってはいないぞ。」
「よ、よかった...。」
「あたしの心配はしないんだね。まぁ、大丈夫なんだけど。」
優輝が矢を抜いて曲がってないか確かめ、曲がっていない事にアリシアは安堵する。
葵がその横で何か言っていたが、本人の言う通り大丈夫なため、心配はしていなかった。
「さぁ、続けるわよ。」
「りょ、了解デス...。」
“イイ笑顔”で言う椿に、アリシアは冷や汗を掻きながら返事するしかなかった。
「....これぐらいか。」
「そうだねー。これなら弓道場の的と同じ距離かな。」
翌日、優輝が地面に線を引き、弓道での的との距離を測っていた。
的は既に自作しており、木に立てかけてある。
「残り八日...今日は午前練が終わったら午後はずっとらしいからな。」
「かやちゃん、厳しいよねー。」
「それでも教えるのはちゃんとやっているから、椿らしいけどな。」
ちなみに、椿は現在部活中のアリシアを見に行っている。
もちろん、霊術などで気配を消して見つからないようにしている。
「...それにしても、私有地でこんな事やっていいの?」
「...ダ
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