暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第4章:日常と非日常
第96話「弓」
[3/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
手く射れず、(あた)らない。

「手厳しいな。」

「むしろ一朝一夕で簡単に上達したら困るわ。優輝みたいなのが他にもいたら弓使いの式姫として悲しくなるわ。」

「僕だって一朝一夕で習得してないって...。」

 優輝は導王時代の実戦経験と、前世での手際の良さから、霊術を早く習得していた。
 ....実の所、優輝に才能があるかと聞かれれば、あるとは言えないレベルである。

「いたたた...。」

「まだ射形が正確ではないから、長時間射続けるのは無理ね...。」

「うん...。腕と手が痛い...。」

 まだ弓を実際に引くというのに慣れていないのか、アリシアは腕を痛めていた。
 本来なら腕を痛める程ではないので、やはりまだ射形が上手く出来ていないのだろう。

「...霊力を使えば回復できるけど...どうする?」

「....いや、いいよ。魔法や霊術には頼らない。そんな事したら卑怯だから。」

「そう言うと思ったわ。」

 しかし、やはり続行するには支障を来すので、一度休む事にする。
 森の中ではあるが、優輝達が先に手入れしておいたため、座ったりするスペースはある。

「そう言えば、霊力でどうやって治すの?筋肉痛は、魔法でも少し治しづらいけど...。」

「魔力ではそうかもしれないけど、霊力は生命力に近いのよ。だから、体内で循環させるように流し続ければ、自然治癒能力を高めれるの。」

「へぇー...。」

 休みながら、アリシアは椿に霊力について聞く。
 司の件以来、自身に霊力が多量にあると分かったので、興味を持っているのだ。

「便利....だけど、頼っちゃダメ。頼っちゃダメ...。」

「早くも意志が揺らいでる...。」

 必死に楽な道を拒もうとするアリシアに、葵は少し呆れる。

「しょうがないな...。アリシア、ちょっといいか?」

「えっ?」

 そこで、優輝がアリシアに近づき、手を取る。

「ちょっとしたマッサージだ。放置していると筋肉痛になるものでも、こうしてほぐしておけば大丈夫だし、痛みの回復も早い。」

「あっ、っ、く、くすぐったいよ。」

 手のツボとなる部分を、優輝は押す。

「ほら、腕もだ。」

「んっ...う、上手いね優輝...。」

「覚えられるものは全部覚えてきたからな。筋肉痛にならなければ、動きに支障を来す事もないから、これは覚えておいたんだ。」

 手慣れた様子でアリシアの手や腕を揉み解す優輝。
 アリシアもくすぐったいのと同時に気持ちいのか、上擦った声を漏らす。
 ...傍から見れば、セクハラである。

「っ......!」

「凄く誤解されそう...。」

 気持ちよさそうにするアリシ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ