第4章:日常と非日常
第96話「弓」
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国守山にある八束神社の境内裏。その奥の森の中に、人払いの術が掛けられていた。
「ほら、また腕で引いてるわ。こうして、肩を開くように...。」
「あっ....引きやすい...。」
「でしょう?それで、そのまま保って...弓手...左手をぶれないように、妻手...右手を放す。っと、まだぶれるわね。ここはしっかり練習よ。」
「はーい...。」
そこにて、何人かが集まり、弓を扱う練習をしていた。
弓を持つのはアリシア。教えているのは椿だ。
他にも、優輝と葵もそこにいた。
「弓道って色々と細かいよな...。ベルカ時代なんて当てればそれでよかったよ。」
「それでも優ちゃんも十分上手いと思うよ。かやちゃんも感心してたし。」
アリシアが練習しているのを、二人は眺めながらそんな会話をしていた。
二人は弓道について教える程詳しくはないため、大人しくしているのだ。
「今日合わせ、残り九日。それまでにある程度まで上達させるから、厳しく行くわよ。」
「...うん!」
椿の言葉に、アリシアはやる気を再燃させ、言われた箇所を修正していく。
なぜ、このような状況になったかと言うと...
―――昨日...
「椿ー!!」
「きゃっ!?な、なによ!?」
扉を開け放つように、優輝の家にアリシアは乗り込んでくる。
名前を呼ばれた椿は、突然の事に驚く。
「なんだ?」
「アリシアちゃん?いきなり家に来てどうしたの?」
「えっと...。」
アリシアは、いつもの元気な姿を引っ込んでいた。
そのまま、椿の前まで来て....見事な“土下座”をした。
「私に!弓を教えてください!!」
「....えっ?」
突然の訪問からの突然の土下座&頼み事に、さしもの椿も固まってしまう。
「えっと...経緯を聞かせてもらえないかしら?」
「実は...。」
聞くと、アリシアは中学に進学した際、弓道部に入部したという。
中学校に弓道部は珍しい事なのだが、今は関係ない話なので置いておこう。
先日まで、司関連の事件でしばらく学校を休んでいたので、部活もやっていなかった。
解決後に復帰した訳なのだが、当然他の部員よりも遅れていた。
それでもアリシアは懸命に練習に取り組んでいたのだ。
しかし、一部の者はそんなアリシアを快く思わなかった。
事あるごとに、遅れているアリシアを馬鹿にしてくるのだ。
大体の同級生や先輩は、そんなアリシアを応援したり庇ったりしてくれるのだが
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