オーディナル・スケール-nowhere-
起動
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いかかる猪タイプへレインとともに向かっていく。
ただし、ここは現実だ。気の利いた動きのサポートなどあろうはずがなく、他のプレイヤーも見るに、仮想空間でのゲームに慣れすぎたのか、はたまたただの運動不足か……多少、動きにくそうなプレイヤーが散見される。
「ショウキくん……?」
「先に行くぞ!」
ただし、現実という環境ならば、俺は十全に自らを活かすことが出来る。普段は仮想空間で現実の技術を活かして戦っている俺は、仮想空間だろうと拡張現実だろうと、戦い方も動きも何も変わることはない――
「このゲーム、ソードスキルとかないから気をつけて!」
「いつも通りの展開じゃないか……!」
――ああ、なおさら、いつも通りだ。背後から聞こえてくるレインの声にニヤリと笑いながら、勢いをつけた剣戟で猪タイプの皮を斬り裂いた。
「せっ……ん?」
そのまま皮が斬れて露わになった場所に蹴りを叩き込――もうとしたものの、その一撃は空を切った。当たらなかったという訳ではなく、文字通りに猪タイプをすり抜けたのだ。
「コラー! 武器以外での攻撃は厳禁!」
「なるほど……」
どうやら敵に攻撃をすることが出来るのは、デバイスから作り出された武器による攻撃のみらしい……考えてみれば当たり前のことだが。というのを、暴れ出す猪タイプからバックステップで退避しながら考えていると、再び両面からの銃撃が猪タイプを襲う。
「っしゃ! 撃て撃て!」
猪タイプの苦悶の悲鳴が空間に伝わっていく。相変わらず皮には阻まれたようだったが、先程に俺が斬り裂いた箇所にはダメージがあったようだ。そのままそちらに掃射を継続するも、猪タイプの眼光がそちらを捉えた。
「やべっ……」
銃撃していたプレイヤーたちも気づいたようだったが、時は既に遅かったようで。そこにいたプレイヤーたちは、猪タイプの雷のような突進をまともに受けてしまう。
「あー、クッソ!」
すると武器や制服姿が解除されたプレイヤーたちがそこにはおり、敗れたプレイヤーたちはああいう扱いになるらしい。そして草原を駆け抜けた猪タイプの背後には、集結したレインたち近接武器組が迫っていた。
「突進が持ち味なら!」
突進が持ち味ならば、その背後から。レインの狙い通りに近接武器が猪タイプに襲いかかったが、油断した数名のプレイヤーが後ろ足による痛烈なカウンターで沈んでいた。
「せぇのっ!」
その間にレインは側面へと回り込むと、俺が皮を斬り裂いた箇所に更に片手剣を深々と突き刺した。傷口に塩を塗り込むかの如き所行に、猪タイプはまたもや悲痛な叫びをあげるとともに、暴れ出して近接武器組を振り払って走り出した。先に雷光に例えたような速度の疾走に、近接武器組
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