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SAO−銀ノ月−
オーディナル・スケール-nowhere-
起動
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楽しめた!」

「解説は全部こいつがやってくれたけどな。でも、こちらこそ助かったよ」

「あ、ちょっと待って。最後にレインちゃんからのCM!」

 随分と役に立ちすぎた《オーグマー》を苦笑とともに返そうとしたが、レインによってその動作はキャンセルされる。目前に突き出された指が一回転すると、代わりに一つのフォルダーが導き出された。

「《オーグマー》は確かに便利ではあるけど、私たちにはどっちかって言うと、こっちの方が大事かな?」

「私たちには……?」

 そんな意味深な言葉を語るレインが示したのは、そのフォルダーであることは間違いないだろう。眼前に表示されたフォルダーの名前を見れば――

「VRゲームならぬARゲーム、《オーディナル・スケール》。どうかな、ちょっとやってみない?」


「……ここでやるのか?」

「うん。まだ未発売だから、隠れてね」

 そんなレインの誘いに応じた俺は、ライブでも始まりそうなホールに連れて来られていた。レインはこの企画に最初から誰かしらを誘う予定だったらしく、開始時間まで暇を潰そうとした時、偶然にも先に俺と会ったらしい。

「ふふ。未発売のゲームのイベントだなんて、ワクワクしちゃう!」

 そう言って目を輝かせるレインと同様に、あの《オーグマー》を装着した数十人がホールに集まっていた。VRならぬARゲーム――というのは、レインが先程の美術館で言っていたが、その概要はまだ聞かされていなかった。直前の方がドキドキするだとか、そんな理由で。

「はい、ショウキくん。もうすぐ始まるみたいだから、これ」

「ん?」

 そうしてレインに渡されたものは、マイクのような片手で持つ端末。簡単に振り回せる軽い物だったが、パッと見て用途は分からない。

「始め方はVRの方と同じ。ゲームの名前を言って、起動! って言えば大丈夫だよ」

「なら……」

 訳は微妙に分からないまま、とにかくマイクのような端末《タッチペン》を片手にし、レインに言われた通りにそのゲームの名を宣言する。《オーグマー》によって視界の端に映る、そのゲームの名は――

『《オーディナル・スケール》、起動!』

 ――その起動の一言とともに、世界が塗り替えられていく。先程までいたライブ用のホールは既になく、世界は蒼穹が天を支配する草原に書き換えられていた。世界が一瞬にしてALOのシルフ領にでも変わったような感覚に、自分だけではなく参加者全員から驚愕の声が漏れていく。

「大丈夫、ショウキくん? 何か変なところない?」

「変……と言われたら、周りの景色だ」

「それは正常だよー。確かに最初はビックリするけどさ」

 そんな中、視界に映ったレインが微笑みながらこちらに手を振る。どうやら経
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