第三章
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「ああ播磨灘って漫画は面白いわね」
「何その漫画」
「力士さんの漫画?」
皆大鵬さんのことはあまり、だった。けれどそこから四十年代のことを今のお菓子とジュースを楽しみつつ話をした。
そうしてから家に帰ってだ、たまたまリビングでお茶を飲んでいたお祖父ちゃんに尋ねた。
「太陽がくれた季節って知ってる?」
「ああ、青い三角定規のか」
お祖父ちゃんはお茶を飲みつつ老後の本を読みながら私に応えた。
「懐かしいな」
「お祖父ちゃんの若い頃の曲よね」
「ああ、そうだ」
実際にとだ、お祖父ちゃんは私に答えてくれた。
「いい曲だよ」
「あれが?」
私はお祖父ちゃんのいい曲という言葉に思わず問い返した、そうしつつお祖父ちゃんの向かいの席に座った。
「いいの?」
「お祖父ちゃんが子供の頃は流行ったんだ」
「それは知ってるけれど」
「聴いたろ」
「聴いたよ、けれどね」
私は聴いてどう思ったかを話した。
「あれはないわ」
「ないか?」
「物凄く臭いじゃない」
こうお祖父ちゃんに言った。
「もうね」
「それ言い過ぎだろ」
「そう?何か歌詞が」
聴けば聴く程だ。
「臭くて」
「御前はそう言うけれど昔はな」
「あれがヒットしたの」
「大ヒットでな、お祖父ちゃんもな」
「好きだったの」
「レコードも買ってよく聴いたな」
「そうだったの」
「そうだったんよ」
「というかレコードの時代なのね」
私にとってはこのことかしてだった。
「古いわね」
「もうCDだからな」
「ユーチューブとかでも聴けるし」
それにニコニコ動画でもだ。
「そっちになってるから」
「時代は変わったな」
「ええ、だからね」
それでだ。
「ユーチューブで聴いたけれど」
「御前はそう思ったんだな」
「ええ、古いわね」
「やれやれだな、まああの時はな」
お祖父ちゃんは私の話を聞いてお祖父ちゃんが若い頃の話もした。
「そうした時代だったんだ」
「そういうことなの」
「あ、本当にな」
「フォーク全盛期で」
「学生運動もあったな、祖父ちゃんは嫌いだったが」
その学生運動がというのだ。
「カラーテレビも自動車もどんどん出て来て」
「そうした時代だったの」
「御前はもう白黒テレビなんて知らないだろ」
「見たことないわ」
白黒の映像位だ。
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