第百五話 夜になってその一
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第百五話 夜になって
僕達は三人でパエリアを食べはじめた、僕は味付けされて金色になっている御飯を食べた。その味付けが絶妙でだ。
僕は食べながらだ、マルヤムさんとチェチーリアさんに笑顔で言った。
「うん、美味しいよ」
「義和殿はいつも最初はでござるな」
「御飯をね」
「食べるでござるな」
「何といってもね」
この言葉からだ、僕はマルヤムさんに答えた。マルヤムさんはまずは鱈を食べている。程よい大きさに切られていて火もよく通っている。
「御飯が第一だからね」
「主食だからでござるな」
「日本ではね」
「そうでござるな、日本人はでござる」
「まずは御飯だね」
「多くの人がそうでござるな」
「色々なものを食べるけれど」
日本人もだ、東西の色々なお料理を食べている。
けれどだ、その中でも第一はというと。
「何といってもね」
「御飯でござるな」
「それがないとね」
美味しくないとだ、しかも。
「駄目だからね」
「それで、でござるな」
「うん、だから僕もなんだ」
「御飯でござるな」
「それを食べるんだ」
パエリアを食べる時もだ。
「何といってもこれも御飯のお料理だからね」
「そういうことでござるな」
「美味しいね、ただお米は違うね」
食べてみてこのこともわかった。
「インディカ米だよ」
「日本のお米ではないでござるな」
「ジャポニカ米は違うんだよね」
他の多くの国のお米であるインディカ米とはだ、日本のお米であるジャポニカ米は違う。このお米は少し特別だ。
「和食には向いていても」
「こうしたお料理には、でござるな」
「今一つ向かないんだよね」
炒飯やカレー、リゾット、そしてこのパエリアにはだ。
「どうにも」
「実際にでござる」
「マルヤムさんから見ても」
「拙者の祖国でもでござる」
マレーシアでもというのだ。
「インディカ米でござる」
「それでだよね」
「炒飯やカレー、そしてこのパエリア向きのお米でござる」
「そうだよね」
「パエリアはこのお米でござる」
インディカ米だというのだ、実際に。
「ジャポニカ米でも作ることは出来るでござるが」
「それでもね」
「味は、でござる」
まさにというのだ。
「インディカ米の方がいいでござる」
「向き不向きだね」
「そう思うでござるよ」
「僕もそう思うよ、それでね」
「御飯を食べてでござるな」
「美味しかったよ」
パエリアの柱であるそれがだ。
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