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非日常なスクールライフ〜ようこそ魔術部へ〜
第53話『合縁奇縁』
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「え?……っ!?」


その時、ユヅキの唇と晴登の唇が重なる。柔らかい感触が印象的だった。

互いの涙が交わり、互いに笑みで心が満たされる。



「大好きだよ、ハルト」



ユヅキの最後の言葉が、強く胸に刻まれる。

そしてそのまま、晴登の意識は遠い彼方に消えた。





* * * * * * * * * *

「ん……」


目を擦りながら、晴登は身体を起こした。
その身体は懐かしの我がベッドの上にあり、視界に映るのも自室の風景である。


「帰ってきたのか…」


長い長い3日間が、ようやく幕を閉じた。
ベッドの上で朝日を浴びながら、晴登は大きくため息をつく。


「さすがに、キツすぎるだろ…」


身体の奥底に渦巻くやるせなさ。例え夏休みだろうと、遊ばずにずっと寝ていたいぐらいだ。


「……起きるか」


ウダウダ言っていても、戻ってきたのだ。今日は平日だったと思うし、学校もあるはず。
さすがに体感時間で3日間も異世界で過ごしたから、人との会話に齟齬が生まれそうだが・・・


「……ん? 何かやけにベッドが狭いな」


ベッドで伸びをしてると、ふとそう思った。
3日間違う寝具で寝ていたから、勝手が変わるのは当たり前だが──違う。


「一体、何が…?」


晴登は自分の隣の、やけに布団が膨れている所を見る。恐らく、狭いと感じた原因はこれだろう。


「……ごくり」


息を呑む晴登。異世界から帰ってきて早々、嫌な予感しかしない。しかし、事態は目の前で起こっているのだ。確かめずして……どうする。


「ええい、ままよ!」


晴登は恐る恐る且つ大胆に、布団を捲りあげる。そして、謎の物体の正体に目を疑った。



「ユヅキ…!?」



静かに吐息を立てて眠る、銀髪美少女ユヅキの姿がそこにはあった。

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