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非日常なスクールライフ〜ようこそ魔術部へ〜
第53話『合縁奇縁』
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では立場が対等な時に、一方が恐怖の感情に囚われてしまえばどうなるだろうか? 答えはシンプル、もう一方の勝利は確実であり、弱肉強食の強者に君臨できる。


「つまり、ビビってたらお前の胃袋行きなんだよ。そんなとこ、死んでも行きたくねぇな」

「ガル…」

「うちの部下には手を出させねぇ。大人の甲斐性見せてやるよ」


その言葉をキッカケに、彼我は1歩を踏み出した。
ウォルエナは相手を噛み殺さんと、ラグナは部下を守ろうと、互いに走る。


「ガウッ!」


ウォルエナは跳躍し、上方からラグナに飛びかかる。
勢いがあり、牙に刺さりでもしたら大怪我は免れない。


「けど、空中は無防備だって知ってるか?!」

「ガッ…!?」


ラグナの拳が牙のギリギリ上、ウォルエナの鼻にクリティカルヒットする。固いものが砕けるような音がし、吹っ飛ばされたウォルエナはそのまま動かなくなった。


「昔はやんちゃしてたからな、喧嘩にゃ自信があんだよ」


自嘲気味に笑い、ラグナは呟く。

結局、ものの数分でウォルエナを討伐してしまった。2人を逃がした意味も、あまりなかったと思われる。


「あーあ、面倒くせぇ。さっさと追いかけねぇと」


ラグナは2人が向かったであろう方向へ走り出した。







「・・・てな訳で、今までずっと捜してたんだよ。見つかって良かったぜ、ハルト」

「え、でも、途中でウォルエナには…?」

「遭ったぜ、何度も。全部ぶん殴って撃退したがな」


驚いた。ラグナにそこまでの戦闘力があったとは。確かに拳が血塗れである。
どんな魔法を使うのかは聞いてないが、そこまで素の力があるということは、ひょっとするとラグナはかなり強いのかもしれない。


「それにしても、やっぱり逃げてなかったんだな」

「え?」

「お人好しのお前らのことだ、すぐ逃げずに困っている人を助けていたと思ってたぜ」


図星とまでは言わないが、外れてもいない。

晴登の脳裏に妹に似た金髪の少女が浮かぶ。
元はと言えば、彼女を助けようとして、ユヅキとはぐれたことが始まりだった。そう思うと、人生って何が起こるかわからないと、改めて思わされる。


「ところで、ユヅキはどこだ? 無事なのか?」

「…確証はありません。けど、無事だとは思います」

「……色々あったんだな。わかった。急いでこいつら片付けて、ユヅキを捜そう」


苦い顔をして、ラグナは応える。
ほとんど娘のように感じているユヅキの安否が不明なのだ。仕方ないことだろう。

だが、ラグナの言葉には些か無茶が含まれていた。


「ちょっと待ってください、この量を1
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