第84話 魔界衆との戦い その壱
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島原・原城。かつて、天草四朗がキリシタンと農民を巻き込んで一揆を起こした。
歴史上「島原の乱」と呼ばれたものである。そして、今、時を超えて再び天草四朗により復活したその城は5階で構成された城である。
十兵衛は、死人たちとの戦闘を経て、ようやく城にたどり着いた。
(やれやれ、ようやくか)
十兵衛は一息ついて、城内に入っていった。
(さて、何が飛び出すやら)
典太を右手に持ち、周りを警戒しながら歩き出した。城内は暗く光もない。
その時、風を切る音が十兵衛の耳に入ってきた。何か矢のよなな物が自分に飛んでくるような物だ。
十兵衛は、それを予測し、横に飛んだ。それは、十兵衛の横を通り過ぎ、それを投げた本人のもとへ戻っていった。
「久しいなぁ、十兵衛。さすが、わしが投げた槍を交わしたか」
闇に光がともり、その姿が現れた。
「胤舜坊!!」
にやりと笑っているその大男に十兵衛は叫んだ。
「おぉよ。再びお主と相まみえることが出来るとは、うれしい限りよ」
胤舜は、槍を構えて身構えた。
「胤舜殿、拙者も名乗らせてくれ」
がたいがいい胤舜の後ろから、これも長身でありながらひょろりとした男が現れた。
「ふん、勝手に名乗るがよかろう」
胤舜は、十兵衛との対決に水を差されたかのようでむっとしながら言った。
「お初にお目にかかる。拙者、土佐の岡田以蔵と申します。天下に名を届かした柳生十兵衛殿と戦えるとは嬉しくて地がたぎります」
以蔵は、すらりと刀を抜いた。
「という、訳じゃ、十兵衛。わしら二人がお前と対峙することになった。本望ではないが、致し方あるまい」
胤舜もまた槍を構えた。
(胤舜坊は、以前の戦いでわかっている。が、隣の岡田と申したか。できるとは思うが、どんな剣を使うのか)
十兵衛は、愛刀・典太を正眼より斜め右に傾け慎重に歩を進めた。
先に、攻撃をしてきたのは、以蔵だった。十兵衛の間合いの中に飛び込むように入り込み胴を狙った。が、十兵衛は、素早くそれを交わし、面を狙う。
以蔵もさることながら十兵衛も息をつかせむ連続攻撃の応酬。
「さすが、柳生十兵衛殿だ。わしの攻撃をすべて交わし、攻撃してこようとは。今までの連中はすぐに死んでしまったきに」
以蔵はにやりと笑い、唇を舐めた。
「岡田以蔵と申したか。なかなかやるではないか」
十兵衛もまた久々の強敵にわくわくしていた。が、その時、再び槍が飛んでくる音がした。
十兵衛は、典太でそれをはじき飛ばした
「胤舜坊。。。。。。」
十兵衛は胤舜を睨み付けた。
「つまらぬ、本当につまらぬ、十兵衛。お主の力はそんなもんではないはずじゃ。それとも、腕が鈍ったか?」
胤舜はにやりと笑った。
「胤舜殿、これは異なことをいうぜよ。まるで、わしが弱いとで
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