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魔界転生(幕末編)
第84話 魔界衆との戦い その壱
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るに違いなかった。
「さて、十兵衛。今度はわしも甘い攻撃はせんぞ?」
(やはりな)
 胤舜の言葉に自分の考えが当たったことに十兵衛は内心ほくそ笑んだ。が、さすが人斬り以蔵、十兵衛の死角死角へと入っていく。
(ふん、それも想定済みだけどな)
 十兵衛は今まで斜めに正眼を構えていたが、全く構えることなく仁王たちで二人の攻撃を待った。
「うむ?十兵衛殿、構えなんかよ?」
 以蔵は、何か舐められたような気分で十兵衛を見つめた。
(十兵衛め、何か狙っておるな?)
 胤舜は槍の刃先を下段に構え、十兵衛の動きを警戒した。その時、十兵衛は以蔵にくるりと背を向け、胤舜と対峙する形となってにやりと笑った。。
「なむんなぁ!!」
 以蔵はその行動が自分は眼中にないと感じ怒りにまかせて突っ込んだ。
 それこそが、十兵衛の思うツボだったなのだ。確かに以蔵の剣気は強いが、自分以上の剣気を感じたことはなかった。
 剣気が圧倒的なものであれば、自らが切られるイメージが脳、身体、精神に植えつけられる。そのため、その場に固まり動けなくなってしまう。
 まさに、以蔵がそうだった。
 十兵衛の剣気に充てられ、剣を振り下ろすことが出来なくなってしまっていた。当然、そのことは十兵衛は知っている。だから、以蔵の方を向かずに首をはねた。
 首を失くした以蔵の体から大量の血が吹き出し、十兵衛の方に倒れ始めた。が、十兵衛は、その体を交わし、以蔵であった死体を胤舜に向けて蹴り飛ばした。
「岡田ぁー!!邪魔だ!!」
 胤舜は以蔵の体を真っ二つに切り裂いた。が、それも十兵衛の戦略だった。
 すでに十兵衛は以蔵の背後に隠れていたのだった。
「おのれ、十兵衛!!」
 胤舜は、間合いを取ろうと後ろへ飛び退き、薙刀のように槍で祓った。が、すでに十兵衛は胤舜をとらえ、胴を払った。そして、続けて縦一文字に典他を振り下ろした。
「ははは、見事だ。十兵衛」
 胤舜は、そう言い残すと十字に切り裂かれて倒れた。
「胤舜坊・・・・・」
 十兵衛は、胤舜の亡骸を見下ろしつぶやいた。

 以蔵、胤舜との戦いに決着をつけた十兵衛は、二階へと登って行った。
 その時、旧薩摩軍と政府軍に間にとんでもないことが起きていた。



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