39話「ロリへの愛は世界を救うか?J〜ドナルド先輩の電話〜」
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悪徳都市の門を潜り、俺たちは帰還した。もちろん、非常事態という事もあり、出入りに厳しい制限がかかっていたが、賄賂を払えば無問題である。警備兵は素直に「へーいお客さんっー。どうぞーどうぞー」と笑顔で通してくれる……行政組織が腐敗している事に喜べばいいのか、悲しめば良いのか、俺には分からん……。
『ワープゲートにて、魔物の大侵攻が発生しました。市民は避難用の自宅シェルターを購入し、すぐに避難してください。買うならシェルター建設専門店ザ・サイロにお任せ』
鳴り響く警報ですら、企業と癒着して宣伝までしている有様だ。
公職に就く人は、特定企業を優遇したり、宣伝しちゃ駄目なのが先進国のテンプレのように存在するルールだと思うのだが、悪徳都市にはそんな法律があったとしても、賄賂でゴミ箱へポイッと捨てられる程度の価値しかないのだろう。
というか警報機の内容――
『ワープゲートにて、魔物の大侵攻が発生しました。市民は避難用の自宅シェルターを購入し、すぐに避難してください。買うならシェルター建設専門店ザ・サイロにお任せ』
「無茶言い過ぎだろ!?非常事態を利用して、とんでもない高値で売るつもりだな!?この企業っ!」
『銀バッジ以上の冒険者は、ワープゲートの方へと移動してください。緊急クエストです。銅バッジ以下の冒険者は邪魔にならないよう、シェルターを購入して避難してください』
「そんな収入があったら、銅バッジやってないぞ!?」
俺の虚しいツッコミに、白真珠が低い声で反応してくれた。
「お師様……警報機にツッコミを入れても無意味ですよ……?」
「電話が中々繋がらないから、ちょっとストレス発散」
「そういえば、なんで繋がらないんでしょう?僕、電話の原理って分からないんですよね……」
「都市のあっちこっちにアンテナがあるだろ?あれを幾つも経由して他の携帯端末と通信ができるんだ。恐らく、皆が電話をかけすぎて通信回線に負荷がかかりすぎているんだろう」
「あれ……でも、お師様は都市の外でも電話してましたよね……外にはアンテナがありませんよ?」
「俺の携帯端末は電力を大量消費して、遠くにある通信設備を経由して通信しているんだ。バッテリーを幾つも用意しないと使えないし、結構料金が高いが使い勝手が――」
プルルップルルっ。俺の携帯端末が着信音を奏でた。電光掲示板には『ロナルド・マクドナルド』と書いてある――つまり、ドナルド先輩が俺に電話をかけてきたのだ。
しかも、誰も使っていないような特殊な通信回線で。
「お祖父様を裏切った悪党ですね!殴って骨を折りたい気分ですけど、邪魔になるだろうから黙っておきます!」
文字を読めないはずの白真珠が、ロナルド・マクドナルドの文字を見て叫んできた。
ああ……そ
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