暁 〜小説投稿サイト〜
吸血姫はアホ可愛い!・ω・`)
37話「ロリへの愛は世界を救うか?H〜敗残者の末路〜」
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特にトラブルもなく車で進み続けると……悪徳都市の南側の壁が見えてきた。特に高さがある壁ではない。せいぜい5mほどの高さで、壁の周りを水堀が覆っている。
その壁に――大勢の人間らしきものが吊るされていた。銀バッジや金バッジが偽の太陽光を反射しているから、吊るされているのは冒険者だと分かる。

「お師様ぁー!壁にたくさんの死体がありますー!」

白真珠が驚愕した。彼女の視力は恐ろしく良いから、ガチで死体かもしれないあぁと思った俺の中で、地球の常識とダンジョン世界の常識の二つがぶつかって悲鳴をあげてしまった。

「なんだとっ……!」

「ああ……!なんて酷い事をっ……!こんな残虐な事が出来るのは……きっと話の流れ的に考えて、バグダインの仕業ですよね……」

「いや待て、よく考えたら……死体がある訳ないだろ……ここは地球じゃないし」

「でも、死体があんなにもたくさん飾ってありますよ?きっと悪徳都市は陥落して……今頃、大量虐殺が始まっているに違いないんです……ああ、お祖父様ぁ……無事かなぁ……」

「いや、この世界で死体になったら、食の神が容赦なく食うぞ……高ランク冒険者は魂だけになっても活動できるけど、あれは全部……肉の器だしな……」

俺の常識的な発言を聞いて、白真珠が恥ずかしそうにした。どうやら勘違いだと理解したようだ。可愛い娘が顔を赤らめる様を見るだけで、俺の心は癒されて朗らかになる。

「えと……僕の勘違いだったようですけど……吊るされた人たちの胸元になんか書いてあります、文字が読めないから分かりません。あれは……英語ですかね?」

「こういう時は双眼鏡の出番だ」

俺は魔法の鞄から、一万円の双眼鏡を取り出して、壁の方向を見た。道が一直線だから余所見運転しても特に問題はないだろう。
……吊るされた冒険者はどれもこれも若そうな奴らだった。恐らくダンジョン学園に通っている学生さんだ。そんな彼らの胸元に、安っぽい紙が張られている。紙には真っ黒な大きな文字で――以下の内容が記されていた。

『僕たちは敗残兵です』
『可愛い腐女子たちを守る義務を放棄した卑怯者です。ホモです』
『銀バッジ以上の冒険者は逃げるな、魔力を砲弾に込めるだけの安全な仕事だから、さっさと東門に行って働け』
『お前たちはすでに詰んでいる』
『国連軍はここに戻ってくる。アイルビーバック』

……共通する点は、全員パンツしか履いてない裸姿だった事だろうか?一応、女性冒険者も何人か吊るされているようだが……カバやゴリラみたいな顔ばっかりで、誰得にも程があった。
こうして思うと、可愛くて強い白真珠みたいな娘は、希少性たっぷりの財宝のようなものだと思い知らされるばかりである。隣の娘を物凄く大事にしてあげたくなった。

「お師様!見て
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