36話「ロリへの愛は世界を救うか?G〜通じない電話〜」
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ロシア軍の目を誤魔化すついでに、魔法の鞄から出した黒い迷彩色の装甲車に乗り換えた。故障してないラジオを使って、移動しながら情報収集できて便利である。
だが、状況が状況だけに、どこのニュース番組も垂れ流す情報が――ブラド氏の人類裏切り疑惑一色だった。
『いや〜ブラド氏の裏切りが発覚して凄い事になってますね〜。政治評論家のヤーンさんはどう思いますか?』
『余りにもタイミングが都合が良すぎますな』
『はぁ……?』
『ネット上に流出している書類が出回って、圧倒的な速度で炎上しているのは誰かの意図を感じますぞ』
『そ、それはどういう事でしょうか……?』
『きっと、うちのテレビ局とか、他のマスコミのお偉いさんがバグダイン氏から賄賂でも貰わない限り、ここまで迅速に、裏付けも取れていないネタで炎上する事はないでしょう』
『録音ストップー!CM流して!』
『これでエネルギー切れの心配はいらない!原子炉を搭載したスーパーカーっ!これで第二階層での補給も困らない!買うなら今っ!世紀末社をよろしくぅっー!』
この物騒なCMを最後に――ラジオが壊れた。白真珠が殴った訳ではない。魔力を浴びた事で壊れたのだ。
「お師様!ラジオが壊れました!これは魔物の襲撃フラグですよね!」
焦りを紛らわせるかのように白真珠が騒いだ。しかし、今、走っている所は草原地帯である。待ち伏せするのに向いていない。バックミラーとサイドミラーを確認しても、どこにも魔物の姿はない。というか、こんな所を徒歩で移動する魔物がいたらアホだろう。銃火器が有利すぎるから自殺行為だ。
さらに5分ほど経過しても――
「……何にも起きない……?お師様……?悪党がどこにも居ません」
「いや、ラジオが壊れたのは大量の魔力を浴びた証だ……魔物の大軍や魔力を使わない限り、こんな事にはならんぞ……まぁ、人間と魔物が数万規模の大規模衝突すれば、遠くにいてもラジオは壊れると思うが」
「そういう可能性ってあるんですか?」
「魔物は基本、少人数で行動するから、そんな大軍を動員する事はないな。爆弾の餌食になるし。草原という地形だと米軍は強いぞ。魔物1万匹が死傷する間に、米軍兵士が味方の誤射で1人死ぬかどうかだな。統計的に考えて」
米軍の兵器は、無駄に高性能なのだ。火力を抑えないと破滅するダンジョン世界だが……その環境下に適した兵器を作って配備しているし、銃弾や砲弾に魔力を帯びさせる『ザ・ウェポン』という魔法を俺が開発して、その特許料を俺にジャブジャブと払ってくれるし。俺の個人資産が一兆円以上あるのは、ほとんど米軍のおかげと言っても良いのだ。超大国の軍事予算は地球最強なのである……戦場が惑星サイズで広すぎるから、予算の関係で対応できない所が悲しい……。
「俺たちは、今できる事
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