第三十九話 おぢばがえりその八
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「それならね」
「お金持っててもっていうのね」
「意味がないって」
「お金は持って行けない」
「そう言うのね」
「そう、だからね」
本当にこう考えているからです。
「私は別にね」
「お金はいいのね」
「沢山は」
私の家族自体がそうした考えです、教会としてもお供えは忘れません。
「いらないわ」
「ううん、無欲ね」
「ちっちらしい?」
「そうよね」
「ちっちが欲しいのは」
ここで一人の娘が言うには。
「お婿さんだけね」
「そうそう、けれどね」
「もうそっちもいい子いるし」
「あの子を離さないかったらいいわね」
「あの子の方から絶対に離さないでしょうけれど」
「また変なこと言うけれど」
本当にそれでもです。
「誰のことかわからないわよ」
「はいはい、もうね」
「ちっちはこのことについてはね」
「もう本当に、だから」
「仕方ないから」
皆呆れた笑顔です、それでいて暖かい。そうしたお話をしながらそのうえで、でした。授業も受けてでした。
暫く経ってテストがはじまりました、そのテストの最中は。
私はテストが終わっても寮で勉強しました、テストの時はいつもそうですがかなり真剣に自分が納得出来るまで勉強します。
夜遅くまで勉強するのですが。
「ちっち眠くない?」
「いつも夜遅くまっで勉強してるけれど」
「テストになると」
「ううん、眠いけれど」
それでもとです、私は同じ寮生の娘達に答えました。
「やっぱりこうしたことはね」
「頑張らないといけない」
「そう言うのね」
「そう、だからね」
本当にそう思うからです。
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