第四十七話 成長その九
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「そうしていけばいいの」
「そうなのね」
「本当に焦らないで」
それは禁物だというのだ。
「一つ一つやっていけばいいの」
「そうなのね」
「それに貴女は一人じゃないから」
優花に微笑みを向けて話した。
「これはいつも言ってるわね」
「ええ、私には姉さんも龍馬がいるわね」
「副所長さんに岡島君もね」
その彼等もというのだ。
「だからね」
「一人じゃないから」
「辛いと思ったら」
「その時は」
「そう、一緒にね」
まさにというのだ。
「やっていくから」
「姉さん達が」
「助けてあげるから」
姉である彼女も龍馬達もというのだ。
「私達も貴女に助けてもらってるし」
「そうかしら」
「ええ、助けてもらってるわ」
実際にという返事だった。
「だからね」
「私もなの」
「助けるわ」
優花が困ったその時はというのだ。
「絶対に」
「そうしてくれるの」
「だから安心してね」
困った時もというのだ。
「貴女には私達がいるのよ」
「そうよね、じゃあ」
「安心して歩いていってね」
人生の道、そこをというのだ。
「いいわね」
「わかったわ」
「それとね」
「それと?」
「お腹空かない?」
優子はここでにこりと笑ってだ、優花に問うた。
「もうお昼だし」
「あっ、それはね」
「そうでしょ、じゃあ学校を出たらお昼食べましょう」
「何を食べるの?」
「やっぱりちゃんぽんでしょ」
優子の中の選択肢は一つだった。
「それよ」
「姉さんちゃんぽん好きね」
「ちゃんぽん好きっていうか」
「名物だから?」
「そう、だから長崎に来たらね」
それならというのだ。
「やっぱり一度はちゃんぽん食べないと」
「そう思うから」
「そう、食べるの」
こう優花に話した。
「そういうことよ」
「それじゃあ学校を出たら」
「ちゃんぽんでいいわね」
「ええ、そういえば私も最近は」
優花もふと考えてみて言った。
「ちゃんぽん食べていなかったから」
「食べるのね」
「ええ、そうしましょう」
「よし、じゃあちゃんぽんね」
「いいお店知ってるわ」
ちゃんぽんの美味い店をとだ、優花も笑顔で応えた。
「それじゃあそこに行って」
「食べましょう」
「それじゃあね」
二人で話してだ、実際に二人で学校を出てからちゃんぽんを食べに行った。優花が案内したのは彼女が今住んでいるアパートの近くの中華料理店だった。
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