第八幕その一
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第八幕 ノーム王の楽しみ
ノーム達はかつてはラゲドー王の下侵略や悪いことばかり行っていました、しかしカリフが王様になってからはです。
他のオズの住人達と同じく善良で心優しい人達になりました、この人達は地下に王国を築いて暮らしていますが。
そのカリフ王がです、家臣の人達にこんなことを言いました。
「最近何度入っても飽きない」
「お風呂にですね」
「そちらに」
「うん、そうだよ」
まさにその通りだというのです、ノーム特有の太った小柄な身体で。勿論お髭は長く伸ばしていてお顔は土色です。服は王様だけあって立派です。
「二度三度と入ってもね」
「入りたい」
「そうですね」
「前から風呂好きでね」
カリフ王はそうでした。
「一日一回は入っていたけれど」
「最近はですね」
「二度三度とですね」
「入っておられますね」
「そのうえで楽しんでおられますね」
「身体が奇麗になってね」
そしてというのです。
「心もすっきりするから」
「いいですね」
「お風呂は楽しめますね」
「私も好きです」
「私もです」
家臣の人達もお風呂が好きであることは同じでした、ですがカリフ王はといいますと。
「ですが王様は」
「最近もう病みつきですね」
「一日のうち二時間はお入りですね」
「二度三度と」
「全くだね、本当にすっきりするからね」
またこう言ったカリフ王でした。ノーム王の間で玉座に座りつつ。
「楽しんでるよ」
「そうですね、ではです」
「これからもですね」
「お風呂に入られますか」
「そうするよ、今日は起きてからまだ入っていない」
だからというのです。
「お昼御飯の前にね」
「わかりました、それではです」
「浴室に向かわれて下さい」
「その様に」
「そうさせてもらうよ」
こうしてです、カリフ王はお風呂に入りました。裸になってまずはかかり湯をして身体を石鹸で丁寧に洗って。
サウナに入って水風呂から広い浴槽に身体を浸からせて言いました。
「ふう、すっきりするね」
「お楽しみですね」
「そうだよ」
控えている侍従の人にも答えます。
「皆もね」
「後で、ですね」
「入るといいよ」
「それでは」
「うん、そうしてね」
「わかりました」
侍従の人も答えます、カリフ王はお湯に浸かって温まってまた水風呂に入ってです。お湯に戻ってなのでした。
今度はです、侍従の人にこんなことを言いました。
「しかしあれだね」
「あれとは」
「いや、我々には金銀に宝石もあってだよ」
地下から幾らでも掘り出せます。
「そしてお風呂もある」
「何でもあるというのですね」
「そうだと思うけれどどうかな」
「その通りですね」
侍従さん
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