エンジェルティアー
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な、何だって!?」
円堂くんが叫ぶ。
「止めたくば私たちイプシロンを倒すことだな」
デザームは少し間を開けると会話を続ける。
「私たちはこれから京都へ向かう。我々は逃げも隠れもしない、破壊活動を阻止したければ止めに来い」
そうデザームは言い切ると、ボールを掲げボールから放たれた光に包まれ姿を消した。
「決まりね、私たちはこれから京都へ向かうわ」
瞳子監督の言葉に私たちは頷く。
しかしみんなの顔は優れない、かく言う私もだ。
お兄ちゃんを助けられると言う期待が大きかった余り動揺が隠せない。
黒薔薇くんもさっきから何か話し掛けようとしてくれているが
なかなか話しかけにくそうにしていた。
「み、みんな元気出せよ!ジェミニストームだって倒せたんだ、次のイプシロンだって…!」
「……倒せるのか?」
円堂くんの言葉を遮るように、風丸くんの言葉がやけに響いた。
「勿論だ!俺たちなら勝てるさ!」
「……俺はそんなに強くない」
「え?何だって?」
小さい声で風丸くんが呟いた気がするが、その言葉は誰も聞き取れず
またしてもキャラバンの中は静寂に包まれていた。
「心美!!」
名前を不意に呼ばれた私は、驚きながら後ろを振り向いた。
「心美!」
「お、お兄ちゃん……?」
間違えるはずが無い。そこにはお兄ちゃんが居た。
「どうした、そんな情けない顔して」
お兄ちゃんの言葉に、私は涙が出てきた。
「ううん、何でも無い!」
私は涙を拭うとお兄ちゃんに抱きついた。
「おっとっと!心美…?」
抱きついてわかる。
この体温、落ち着く。大好きなお兄ちゃんに触れてわかった。
私は……、私は…!
「お兄ちゃん…。私、絶対お兄ちゃんを助けるからね……!!」
お兄ちゃんは私の頭を撫でて、頭をポンポンすると
私を離し話した。
「ああ。待ってる、頑張れ心美…!」
「うん!待っててね…!」
「う、うぅ〜ん。あ、あれ寝てた…?」
私は気付かぬうちに眠ってしまっていたらしい。
「さっきのは夢か……」
お兄ちゃんが出てきた夢。
夢の割には鮮明に覚えている。
でも、この夢のお陰で見失いかけていた事を思い出した。
「お兄ちゃん……絶対助けるよ、待っててね……!」
そう小声で私は呟き、決心を改めて固めた。
中間地点という事で、一旦休憩に入り私は外にボールを持って出掛けた。
「私がもっと上手くならないと…」
その気持ちがいっぱいだった。
クラスでも飛び抜けて運動が得意なわけで無く、お兄ちゃんみた
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