第3章 リーザス陥落
第97話 ゴールデン・ザ・ランス作戦
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れ程の武人と手合わせ願いたかった身ではある……が、オレもない」
「………」
暫し沈黙が流れた後。
「……ならば、トーマを討ち取った者を探して連れて来い。降伏を認める条件の1つに加える」
「承りました」
「………」
リックと清十郎は その後整然とこの場を後にした。
2人の気配が完全に途絶えた所で、ハンティが口を開く。
「パットン………」
この話には裏がある。
間違いなく裏がある。
そう確信出来たのは、先ほどの使者の存在だった。
圧倒的な強者だからこそ、放つ事が出来るオーラ。その身に纏っているのは トーマと何ら遜色のない程だった。死さえ恐れぬ強い信念。巧妙に隠してはいたが、ハンティには感じる事が出来た。それ程の信念を持つ男と長く共にいたのだから。
そんな男達が簡単に、それも率先して降伏するなどと考えられない。
そして、トーマを討ち取った相手があの2人でない、という事にもハンティは感じる事があった。……以前より予想はしていた事だったが、もう間違いないと思えたからだ。
そんなハンティの心情は全く知らないパットンはただただ、陽気に笑っていた。
トーマを討ち取った相手をどうするのか、その辺りの事はまだ何も言っていないが、ただただ笑っていた。
「……さぁて、さぁ! 今宵は宴と行くか! フフフフ、フハハハハハハッハハハ!」
そのまま、本当に盛大な宴がリーザス内では始まっていた。
「うおーーい! 酒だぜーーーっ! 司令官殿からの振る舞いだー!」
「ひょうっ! ラッキー! くれくれ」
「おう。ほら好きなだけ飲め! それに喰って宴だ!」
「ぎゃははは。おめーは音痴なんだからやめとけ!」
酒を浴びる様に飲み、飯を食い、歌い。
これまでの厳しい戦いから解放された兵士達のハメは完全に外れてしまっていた。
だからこそ、誰も気づく事はなかった。
「しっかし いいのかね。城門の見張り以外は隙にしろって。これ、将軍がいたら張り倒されてるぜ?」
「リーザスが降伏したって話だからなー。皇子サマはアレ貰ってご満悦らしいし」
「アレか――……。ま、圧巻だな」
兵士達が振り仰ぐ先には、巨大な金色の塊がある。
降伏の証として差し出されたゴールデンハニー。
そう、その中に――息を殺し 潜み続けている者達がいた。
「ぐふふふ……見ろ。やつらめ、すーっかり安心しきってるぞ」
「さ、さすがです……っ、ランス様……、で、でも あまりお手を……」
「がはは。名付けてゴールデン・ザ・ランス作戦だ。ヘルマンの間抜け共め、あっさりと門を開きやがったぞ」
シィルの話はまーったく聞かず、こちらもご満
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