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殺人鬼inIS学園
第一話:用務員は殺人鬼
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の男性の介入によって男性の発言力の増大の足がかりとなる『可能性がある』だけで、十二分に排除対象として認識できるのが、いずれ男性という男性を尽く奴隷化させる未来を実現させることに精力的な音連蓮という人間なのだ。

「全く、ブリュンヒルデが女性権利拡大に消極的なのは痛手だったわね。IS学園は治外法権だから抗議活動なんかは効果が薄いか。ならばこちらから…」

 リスクが高いが、成功した暁には女権団の内部バランスを一変させることが出来る策が頭をよぎる。全てが彼女の意のままに流れる程の大胆不敵かつ無頼な策だ。
 頭のなかで仮組みされるプランとそれに応じて生じる利益をニヤつかせながら思い浮かべた音連蓮の生涯は、これから4秒後、背後から迫るフォークによって鎖されることになる。

つまらなかった

 駅の裏に群がるホームレス達に紛れて給仕服をさりげなく燃やしている男はおぼろげな星空を見て嘆息した。調達した給仕服でウェイターに変装して潜入。調理場からフォークを失敬して、個室に潜伏。ターゲットが半分ほど食事を平らげたところで脳幹目掛けて一撃で仕留めた。
 わざわざ『殺傷能力が一番低い』フォークで仕掛けたのにもかかわらず、相手は積み木を崩されるが如き無常さで倒れ、半呼吸する間も無く息を引き取った。ただひたすら異性を辱めることに人生の大半を費やしてきた負の傑物が、さしたる抵抗どころか悲鳴さえも上げなかったのだ。
あまりにもあっけなさすぎる幕切れ。ホームレスたちが暖を取っているドラム缶からはみ出た給仕服の一部が、彼の心情を代弁するかのごとく燻っていた。

「今度はスープに顔を突っ込んで溺死させるっていうのもありかな?」

 つい口をついて出てきた言葉に男は我に返り、同時に恥じた。実に幼稚な手口であったからだ。そして何より標的は既に死んでいるのだ、次など無い。幸いなことに周囲の人間は彼の独り言に全く興味がなかった模様で、いつもどおりの光景が広がっていた。


 その頃、織斑千冬は某居酒屋の一室で不貞腐れていた。本来誘われて然るべき男が土壇場で踵を返したのだ。今回の飲み会自体、千冬が中心になって催したものであるが故に一層不機嫌になり、飲み干した酒の量に比例するように眉間の皺は深く刻まれていくばかりであった。
 そろそろ内に溜まった怨念が形を成そうとしたところへ、後輩である山田真耶が隣に腰掛けてきた。今回の飲み会の中心人物の二人目であり、今回の幹事を買って出たのである。真耶本人も、本来来るはずだった男の参加を楽しみにしていた様で、その表情は少々暗い。

「織斑先生、そんな顔してちゃダメですよ?せっかく私も知らないこのお店見つけてくれたのに…」

「良いんだ、だってアイツが居ないから…」

 平時の凛々しさなぞ何処かへ追いやったかのように、グ
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