【共にある幸せを願って】
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兄様。これはこれで、兄様らしい気がするんだけど皮肉っぽいかしらね。
「でもあれよ? ヒナタ姉様とナルトの結婚が決まった時、自然と笑顔になってたけど。優しい顔してたよ、ネジ兄様」
「そう、だったか? 自分ではよく判らないが……。まぁ、嬉しかったのは事実だしな」
「じゃあその時の嬉しさを想い出しながら、お祝いメッセージ送ればいいのよ!」
「あぁ……なるほど。次に木ノ葉丸が来た時、実践してみるとしよう」
兄様は少しやる気を出したみたいだった。
───前にネジ兄様は、私がヒナタ姉様の恋って実ると思う?なんて、冗談交じりに聞いたら、否定する所かこんな事を言っていた。
俺は以前、ヒナタ様に酷い事をしてしまったし、ナルトは人柱力として俺よりとても辛い思いをしてきた。いつかその時が訪れるなら、二人には幸せになってほしい……って。
私としてはこう思ったの。兄様、罪悪感持ち過ぎだしナルトに同情し過ぎだって。あとネジ兄様は、ナルトに闇から救ってもらった事に対して感謝してるのは判るけど、色々譲っちゃってるのもどうかと思うのよ。
ネジ兄様だって苦しい思いをしてきたんだし、辛い思いというのは、人と比べるような事じゃないはずよ。
兄様自身の幸せは蔑ろにしていいわけっ?
───ナルトとヒナタ姉様の結婚式が迫る中、ネジ兄様は再び木ノ葉丸からビデオカメラを向けられつつ、メッセージの撮り直しを始めた。
「じゃあ行くぞコレ〜。今度こそ頼むな、ネジ兄ちゃん!」
ネジ兄様は少しの間瞳を閉ざし、二人が幸せそうにしている姿を想い浮かべているみたいだった。今の兄様、とてもいい顔してる。
『……ナルト、ヒナタ、結婚おめでとう。思えば本当に色々あったが、二人が結ばれて俺はとても嬉しく想っている。二人のこれからの幸せを、俺は心から願っているよ』
口から自然と放たれた言葉は、優しい笑顔を伴っていた。
──でも次の瞬間にはその笑顔が失せ、木ノ葉丸の持つビデオカメラに近寄って顔をドアップにし、凄みを利かした。何してるの、ネジ兄様っ。
「ね、ネジ兄ちゃん、近ッ…」
『ところでいいかナルト……、ヒナタを悲しませようものなら、地獄の果てまで追い詰めてやるからな……。肝に銘じておけよ』
あぁ……そういう事ね。いつもより低い声で述べた後、つとカメラから身を引いて、凄んでいた表情から優しい微笑に戻ってネジ兄様は言葉を和らげ、続きを述べる。
『──ヒナタ、何かあればいつでも俺を頼るといい。必ず力になるから。ヒナタがナルトの妻になろうとも……、俺がヒナタの“兄さん”である事に変わりないからな。
そういえば、ナルトは俺の義弟になるんだな……。ナルト、俺はお前が家族になって
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