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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第八十三話 大きな誤算なのです。
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そこでですが。」
フィオーナが三人を当分に見た。
「逃げるのはどうでしょう。」
『逃げる!?』
帝国の双璧がそろって身を乗り出す。ティアナは声こそ挙げなかったが内心あきれ返っていた。と、同時にどこかフィオらしくないわ、とも思っていたのである。
双璧の反応にフィオーナはちょっとそれに気圧された様に、
「え、ええ。いっそ回廊の入り口にまで後退してそこを守った方がいいと思ったのですけれど。」
と胸元に手をやった。数分の間、会議場は湖面のように静まり返っていた。誰も彼もが彼女の言葉を咀嚼するのに難を要していた。それを消化してその意味を悟るのにも。逃げるという手段は帝国軍の中ではタブーとされてきた。それがことイゼルローン要塞という国防の要の中の要の事とあっては尚更である。列席者たちはどう表情を作っていいかわからず一様に困惑の顔を浮かべていた。
「フロイレイン・フィオーナ。あなたという人は!!」
いや、例外が一人いた。一人の将官の激怒した声が会議室に響いたのである。怒声を浴びせられた対象者も意外ならば発言者も意外だった。
ティアナはあっけに取られて二人を見た。居並ぶ将官も副官も参謀もあっけに取られて双方を見ている。今度はミッターマイヤーとフィオーナか、と。
「まぁ待て。」
と、ロイエンタールがミッターマイヤーを制した。
「いや、ロイエンタール。最後まで言わせてくれ!不肖の身でありながら、ローエングラム閣下のお力になろうとこうして戦場に出てきたからには、水火の中をくぐることも辞さないという気でいるのだ。それを不利な戦ならいざ知らず、まだ開戦して10余日ほどしかたっていないというのに、みすみす敵に背を向けることなど断じてできん!!」
ダン!!と机を叩き上げたミッターマイヤーの瞳には武人の炎が宿っていた。
「ここまでの絶対損害数に関しては敵も同じだ。我々は守ればよいが、敵はこの要塞を攻略しなくてはならないという心理的な重圧がある。であればこそ、守勢に徹して鉄壁の気構えを敷けばいずれ敵は退くだろう。」
「ですが、後退しなければイゼルローン要塞はアルテナ星域に突っ込むだけです。」
「そうはさせん。双方が離れた瞬間に我が主砲は全力をもって射撃、味方艦隊もありったけのミサイルを撃ち込めば勝機はある!」
「タイミングが難しすぎます。それにそれは机上のプランではありませんか?」
「フロイレイン・フィオーナ!!」
ミッターマイヤーが血相を変えて立ち上がったが、フィオーナは微動だにしない。ロイエンタールとティアナが立ち上がって双方をなだめた。
「あ、あぁ、そ、ちょっと!ミッターマイヤーも落ち着いて。フィオも落ち着いて。」
「会議はいったん散開だ。これでは冷静な議論ができぬからな。卿らは少し頭を冷やして来い。」
フィオーナとミッターマイヤーはそれぞ
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