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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第八十三話 大きな誤算なのです。
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ろって声を上げた。
「いけませんか?」
「いけなくはないけれど・・・。」
イルーナがアレーナと視線を交わしたが、すぐにラインハルトに向き直って、
「相手は要塞を持ち込んだとはいえ、たかだか3個艦隊規模よ。あなた自身が行くのは鼎の軽重を問われることにならないかしら。それに、副司令長官自身が赴くのは、前線で戦っている将兵たちに対して無言の重圧をかけることになりはしないかと思うのだけれど。」
「私が見ているのは何もイゼルローン要塞だけではありませんよ。」
と、ラインハルトは不敵に笑った。
「まさか、あなたは・・・・。」
イルーナが一瞬はっとなったが、ラインハルトを試すようにじっと見つめた。
「そうですよ。宇宙艦隊副司令長官は私にとって通過点にすぎません。イルーナ姉上もそうおっしゃったはずです。確かにこのまま大過なく時を過ごすことができれば、それはそれで重畳でしょう。ですが、それでは私にとっては牢獄にいるに等しいことなのです。原作とやらで私のことをよくご存じの姉上方なら、お分かりかと思いますが。」
「・・・・・・・。」
「どんな銘刀も手入れを怠れば鈍磨する、私はそのようになりたいとは思わない。」
イルーナは静かに身を乗り出して、尋ねた。
「覚悟はできているというのね?」
「もとよりそのつもりです。先の内乱で癌の半分を切除しました。もう半分を放置しておいては、増殖して自己修復、いや、それ以上の災いを成してしまう事でしょう。」
ラインハルトは多くは言わなかったが、この一言で他の3人には十分意志が通じた。話し合いはこれまでに何度もしてきていることなのだ。
「これまでは相手は一か所だったわ。今度は一歩間違えば戦線は数か所になるかもしれない。それをわかっているの?それでもなお、あなたは進もうというの?」
「無論の事です。」
イルーナの問いかけにラインハルトは躊躇なく答える。
「姉上を救うだけならば、後数度武勲をたてればいいでしょう。ただ、私にはその先になさなくてはならない事があります。そのためにも帝国全土を掌握しなくてはなりません。そのためには、普通のやり方をしていては到底目指すことのできない高みに足を踏み入れなくてはならないのです。」



アンネローゼが戻ってきたとき、4人は昔話を笑いながら話していたが、どこか硬さが漂っていることに彼女は気が付いていた。だが、彼女はそれに触れず、黙ってポットから紅茶を各人のカップに注ぎ始めた。



他方――。
イゼルローン要塞とアーレ・ハイネセンの攻防戦はこう着状態が続いていた。といってもどちらも小競り合いを仕掛け、それに応酬する作業は続いていたが、決め手を欠いていたのである。帝国の方は守るだけでいいが、同盟の方はそうもいかない。新要塞を投入した以上は華々しい成果を上げなくてはなら
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