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ナンパは危険
第一章
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な」
 それはどうなっているかもだ。小泉は自分から話す。
「実はな。前から普通にな」
「普通に?どうしたんだよ」
「お金持ちのパトロンでもいるのかよ」
「未亡人。三十過ぎの資産家の凄い美人さんがいてさ」
 まるで夢の世界の存在だった。
「その人にお金出してもらってるんだよ」
「おい、それ愛人かよ」
「御前そんな人とも付き合ってるのかよ」
「常に付き合ってるのが一ダースはいるけれどな」
 決まった相手でこれだけだ。
「で、その人なりホステスの人なり女医さんなりがな」
「しかも何人もかよ」
「ただれまくってんな、こいつ」
 友人達も呆れた。彼のあまりもの乱れた交際に。
 だが小泉はあくまであっけらかんとしている。その調子での言葉だった。
「で、だよ。そうした人達にお金出してもらってるからな」
「遊び回れるのかよ」
「そうなんだな」
「ああ。お金の分は働いてるからな」
 何時どうして働いているかを聞くのは野暮だった。
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