突撃!!聞かん自慢。
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いや、ケーキはたまたまだ。小さいころによく姉上にお菓子を作っていただいたのでな、いつかは恩返しのつもりで作ろうと決意して、こうして練習していたのだ。だが、スイーツはいいぞ!!食べるのもいいが、作るのはもっといい!!こんなものが世の中に存在しているとは、まさしく奇跡というべきだろう!!」
得意げにいうラインハルトと、唖然とする提督一同。
ラインハルト・フォン・ローエングラム公がケーキづくり?宇宙の覇者がお菓子作り!?常勝の英雄がスイーツにはまる!?!?
言葉は違っても一同の頭の中には「違和感」と「シスコン」という二つの言葉が点灯していた。
「さぁ!!食べるぞ!!そこに皿とフォークがある。隅にはテーブルがあるぞ。大丈夫だ、そんな顔をするな。私がすでに味見をしてある。心配はいらない。」
いや、ワーレンのスイーツカレーをおいしいと言ったあなただから・・・あぁ、そうか!!だから甘いものには絶対の自信があるんだ、と一斉に思った提督たちであった。
「わかりました。さっそく手伝いま――。」
しょうといいかけたロイエンタールが絶句した。そこにかけられていたのは大きな肖像画だった。等身大のアンネローゼの肖像がけぶるような美しい微笑みを浮かべていたのである。
「そうだ、姉上だ。これはいいものだぞ。宇宙一の菓子作りの達人に背後から見られながらスイーツを作るプレッシャーがどんなものか、卿らには想像もできんだろう。」
想像すらできない、と提督たちは思う。いや、プレッシャー云々以前に、ラインハルトがエプロンを付けて、ボウルの中にあるクリームを泡立てている姿などどう想像せよというのだ!!
「そりゃ想像もできんわよ。」
ティアナが小声でフィオーナとロイエンタールに話しかけた。
「シッ!」
期せずして二人が同時に小声でティアナに注意した。
こうして、ラインハルトは「スイーツマニア」と「シスコン」という華麗な天才児には似合わない異名をひそかに提督たちから奉られることになったのである。彼の作ったケーキがどんな味だったのか、後世に伝えられる歴史書は何も語ってはくれない・・・。
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