突撃!!聞かん自慢。
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「た、助けて!助けてくれぇッ!!」
ビッテンフェルトが青い顔をして懸命に足をばたつかせ這い上がろうとする。提督たちが必死に彼の身体をつかんでようやくのことで引きずり上げた。
「こ、こ、こ!!これは!?どういうことなのだこれは!?戦艦の床じゃなかったのか?」
ビッテンフェルトが地面にへたり込んだその時、前方の扉が開いて、落ち着いた足取りでメックリンガーがやってくるのが見えた。
「いかがですかな?私の芸術作品は。」
「う、うむ。こうしていると戦艦の内部にいることを忘れてしまいそうになる。現に心なしか寒い風も吹いてきているようだ。まるで本当に空の中にいるような感覚だな。」
と、ケスラーが言う。
「それにしてもどうなっているのだこれは?前回のルッツの時と言い卿の時と言いこれは内装というレベルの話ではないぞ。」
ワーレンの問いかけに、ルッツもメックリンガーもそれは個人の秘密なのだと言い張るだけであった。
その翌日、今度は一同はブリュンヒルトに向かっていた。旗艦巡りごっこを聞きつけたラインハルトが例によって自分の旗艦をぜひ見てほしいと言い出したのだ。上司には逆らえないし、何よりラインハルトが旗艦をどんなふうにカスタマイズしているのか気になっていた一同は喜んで旗艦に上がらせてもらうことにした。
ブリュンヒルトは、防御思想を強化し、磁力場の防御スクリーンで弾くだけでなく、傾斜・湾曲した装甲と表面の特殊コーティング加工によっても逸らす発想は、原作版のイゼルローン要塞に近い。積極的な防御施策により、艦首主砲群も消えた。全砲門は斜面に分散配備されており、普段は格納されて隠れている。
数々の新技術を取り入れると、当然ながら標準戦艦よりも価格は高まる。配備価格7倍に達し、大きさが2倍になれば建造費は10倍になるものだが、ブリュンヒルトはテスト艦である。コストを度外視した部品が大量に用いられており、それらの開発価格は考慮されていないのが何よりの売りだ。
「いったいどんな趣味を持たれているのだろうな、ローエングラム公は。俺などの武骨者の及ばぬ何か高尚な趣味を持っておられるのかもしれないな。」
ルッツが言う。
「ローエングラム公はこれまでにあまり趣味というものを持たれないと聞いていたのだが。いや、博識や見聞は広い。だが、趣味となるとどういうものをお持ちか、私には想像ができないな。」
と、ケスラー。
「だからこそ気になるのではないか。我らが元帥閣下が一体どのような趣味をお持ちか、部下として当然気になるところではないか。」
「おい、ビッテンフェルト。頼むからローエングラム公の艦内を走り回って、ご趣味の物を壊さんように気を付けてくれよ。」
ミッターマイヤーが心配そうに言う。同僚はともかく、上司の旗艦を傷つけたとあっては冗談事ですまない事態になるだ
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