突撃!!聞かん自慢。
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だと皆がうなずいている。一行は廊下を曲がり、メックリンガーのプライベートエリアの前までやってきていた。
「ですが、今一番凝っているものはこれでして、ぜひ皆様には体験していただきたいと思っていたのです。良い機会が巡ってきたものだ。」
「?????」
体験という言葉に一同が?マークを浮かべていると、メックリンガーが厳重にロックされたコンソールを操作して扉を開放した。
「さぁ、ご一同どうぞおはいりを。この中にはいまだ皆様方が経験されたことのない未知の領域が待っておりますことを保証します。」
「???????????」
提督たちが?を浮かべながら部屋の中に入った瞬間、扉が音を立てて閉まり、あたりは真っ暗闇になってしまった。
「きゃあっ!!」
「どうしたこれは!?」
「どういうことだメックリンガー!」
「騒ぐな!騒ぐと余計に混乱するぞ。」
「おちつけ卿ら!」
「落ち着けって・・・ひゃあっ!!だ、誰よ私に触ったのは!?痴漢!!」
「痴漢!?そんな卑怯者がここにいるのか?誰だ、許さんぞ!!」
ロイエンタールが妻の叫び声に怒気鋭く叫んだ瞬間、あたりがぱっと明るくなった。とたんに一同の目の前が何とも言えない異様な空間になっていた。
「これは!?空か!?」
空に飛び出てきたようだ。一面が青空で眼上に雲海が広がっているが、どうも様子がおかしい。一同はガラスの檻に入った格好だった。何もない空間に佇んでいるのである。
「上が下で下が上!?うぉぉぉぉ!!!なんだこれは!?」
ビッテンフェルトがうそ寒くなったように足を踏み鳴らす。
「や、やめてください!!ガラスが割れて空に放り出されでもしたらどうするんですか!!」
高所恐怖症のバーバラが我慢ならないように叫んだ。
「大丈夫よ。ちゃんと足元はしっかりしているわ。バーバラ落ち着いて。」
と、フィオーナ。
「落ち着けと言われても出口はないぞ。進むべき道もない。」
ルッツが周りを見まわしながら言う。
「待ってください。ほら、目の前のところ、何か扉のような物がありませんか?」
フィオーナが指さした方角にはなにやら黒く光るような物が宙に浮いている。一同は恐る恐る足を踏み出しながら、おっかなびっくりで歩き出していた。
「なんとも想像を絶する世界ですな。これがメックリンガー提督のおっしゃる『前衛芸術』というわけでしょうか?」
ミュラーが一人感心している。
「フン、こんなもの、目くらましにすぎんではないか。所詮は戦艦の中だ。艦の内装だと思ってしまえば、こんなものはどうにでも――。」
ビッテンフェルトの言葉が突然途切れた。突然彼の足元の空間がなくなったかのように彼は「すぽっ。」と足元から落下していったのだ。とっさにロイエンタール、ルッツ、ワーレンが彼をつかまなかったら、どうなっていたかわからない。
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