突撃!!聞かん自慢。
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という音がして、一同の鼻っ先を黒いものが掠めた。すわ!!敵襲か!!とブラスターを引き抜いた一同の前、その黒いものは舞い降りて主人の肩にとまったのである。
「なんだ鳥か。びっくりさせおって。アイゼナッハ、卿が飼っているのか?こんな狭い部屋で。」
ビッテンフェルトが尋ねると、アイゼナッハは無言で部屋の中を指示し、扉を開けた。すると、その中からキュ〜キュ〜ガ〜ガ〜鳴く声がやかましく聞こえてきた。
「うぉっ!!なんだこれは!?」
「たまらんぞ!!」
「うるさいくらいだ!!」
耳を覆った一同の頭上をバサバサッと鳥が飛び去り、何かを落としていった。ベチャッ!という不快な音と気持ちの悪い感触にバーバラが悲鳴を上げた。
「フン、フン、フン!!」
「なによバーバラ、なんだってのよ?鼻息鳴らして。」
と、ティアナ。
「違うわよッ!フ、フン、フンがわ、私の肩に!」
「何をそんな糞ごときで動じることが・・・・うぉっ!!」
ケンプが自分の真上に落ちてきた糞に驚いてよろめく。バーバラとケンプだけではなく、被害は他の提督たちにも及んできた。何しろアイゼナッハの部屋には10羽の鳥たちが鎮座ましましており、それが一斉に飛び出してきているのだ。
「わあっ!これはたまらん!!」
「爆撃されているぞ!!」
「ああくそっ!!俺の軍服に!!なんていう行儀の悪い鳥だ!!許さんぞ!!俺を憤死させたいのか!?」
「誰だ?くだらないシャレを飛ばした奴は?!」
「そんなこと言っている場合じゃ・・・きゃあっ!!」
「駄目だ、駄目だ逃げろ!!」
提督たちは不意に出現した伏兵にうろたえた戦闘中よろしく、皆頭を抱えながら一斉に後退していった。
「いやはやひどい目に遭いましたな。」
メックリンガーがハンケチで盛んに軍服をはたいているが、どう見てもクリーニングに出さなくてはならないひどさだった。
「信じられん。アイゼナッハの飼っている鳥はああまで行儀が悪かったのか。それにあの声はなんだ?奴がしゃべらんからその分鳥たちがわめいているのか?とにかくうるさいな。奴の旗艦でうるさいと思うときが来るとは思わなかったぞ。」
ビッテンフェルトがぼやいた。そのオレンジ色の頭にはところどころ白い点がくっついている。
「ああひどい・・・せっかくの軍服がフンだらけ・・・・。」
フィオーナが切なそうにハンカチで拭いている、ミュラーは自分がフンまみれになっているにもかかわらず妻の汚れを拭き取るのを手伝っていた。ロイエンタールとティアナも同様である。
「ウンがなかったわね。アイゼナッハの趣味を事前に知っていたらこうにはならなかったかもしれないわ。」
「お前、上手くまとめたつもりかもしれんが、全然面白くないぞ。」
ダークブラウンの髪に光るものを点々とつけたロイエンタールが仏頂面で言う。
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