第百四話 夜の海と花火その九
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「ワインだね」
「うん、この近くにいいお店があるんだ」
そのパエリアのだ。
「だからね」
「そのお店に行ってでござるか」
「飲もうね」
ついでに言えば食べる、そのパエリアを。
「そうしようね」
「パエリア、いいわね」
チェチーリアさんも笑顔で言った。
「八条荘の御飯で出たことがあるけれど」
「美味しいよね」
「トマトも大蒜も効いていて」
魚介類と鶏肉も入っているけれどそれだけじゃない、パエリアはトマトやそういったものもたっぷり入っている。だからこそ美味しいのだ。
「お米の味付けもね」
「香辛料を使っていてね」
「美味しいから」
それでというのだ。
「私も大好きよ」
「パプリカも入っているでござるな」
マルヤムさんはこの具のことにも言及した。
「あれもいいでござる」
「そうだよね」
「では、でござる」
「パエリアとね」
そしてだ。
「赤ワインで楽しもうね」
「楽しみだわ、それと」
チェチーリアさんはここでこうも言った。
「もう一つ欲しいわね」
「もう一つって?」
「デザートだけれど」
「ああ、デザートだね」
「スペイン料理だからオレンジかしら」
フルーツだった、チェリーリアさんが食べたいものは。
「やっぱり」
「そうだね、さっきデザートも食べたけれど」
ピーチ=メルバだ、絶品だった。
「今度はね」
「それを食べて」
「それでだね」
「ワインもね」
「それじゃあね」
「決まりでござるな、けれどでござる」
ここでこんなことも言ったマルヤムさんだった。
「拙者もうワインを二本開けているでござる」
「私も」
チェチーリアさんもだった。
「さっきのディナーで」
「ワインが美味しくてある」
「二本開けたわね」
「そうしてしまったでござる」
「僕もだよ」
何を隠そう僕自身もだ。
「飲んだね」
「食べてでござるな」
「飲んだよ」
白と赤を一本ずつ飲んでしまった。
「だから結構以上に飲んでるよ」
「一本でござるな」
マルヤムさんは言った。
「飲むにしても」
「うん、そんな感じだね」
「正直この調子でいくとでござる」
「今日は飲み過ぎだね」
「そうなるでござるな」
「僕もそう思うよ、ただね」
僕はマルヤムさんにこうも話した。
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