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『八神はやて』は舞い降りた
第6章  『八神はやて』
第51話 ハヤテのごとく!
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ることは、できません。そこで提案があります――」


 ――――悪魔になってみませんか?


 それが、新魔王グレイフィア・ルキフグスと、プレシア・テスタロッサとの初邂逅だった。
 プレシアの協力により、駒王町の消滅はジュエルシードによるものだと判明した。が、今更どうにもならない。ジュエルシードを持ち込んだとプレシアを糾弾するものもいたが、グレイフィアが抑えた。夫を喪った彼女が制止すれば、他の悪魔は黙るしかない。


 その後、グレイフィアの『女王(クイーン)』として、転生悪魔となり、プレシアは、獅子奮迅の活躍をしていく。リリカルなのは世界の技術と悪魔の技術が結びつき、悪魔陣営は強化された。天使陣営と堕天使陣営に同時に攻め込まれた悪魔は、逆境の中防衛に成功する。


 不可抗力とはいえジュエルシードが起こした災害の責任を取る形で、プレシアは悪魔陣営に協力していた。だがそれ以上に彼女が協力的になった理由がある。


「お母さん。堕天使さんをいっぱい倒そうね!」
「そうね――――アリシア」


 アリシア・テスタロッサ。同じく『兵士(ポーン)』となることで、転生悪魔として蘇った少女。戦力としては並だが、持前の明るさで、マスコットとして可愛がられている。そして、何より……


「アリシアには、指一本触れさせないわ。サンダーレイジ!!」


 彼女を狙う愚か者には、かつて大魔導師と呼ばれた魔女が、怒りの鉄槌を下すのだった。  笑顔を取り戻したプレシアとアリシア。上級悪魔になり、母娘水入らずで暮らすために、今日も彼女たちは、戦う。


 しかし、時期が悪かった。折しもサーゼクス・ルシファーの死亡を契機とした世界大戦が勃発。魔王クラスの実力を持つプレシアは、貴重な戦力として、技術者として活躍する。彼女も後ろめたさがあったし、何より蘇った娘のために尽力する。
 彼女たちを巻き込み、物語は進む。そこには主人公もヒロインも存在しない。史実とかけ離れた「原作」が幕を開けるのだった。





「ハーハッハッハッハ! 愉快! 痛快! そう思わんか、アザゼル総督」
「うるせえよ」


 愉しそう嗤うコカビエルに、アザゼルは面倒くさそうに応えた。誰もが予想だにしなかった世界大戦。 本心としては戦争反対派であったアザゼルだが、魔王の死亡という絶好の機会を逃す手はなかった。
 いや、正確には主戦派の突き上げを押しとどめることができなかったのだ。


 そんなアザゼルの内心を知ってか知らずか、主戦派代表のコカビエルは実に楽しそうだ。大好きな戦争が嬉しくて仕方がないのだろう。
 出征前にも、「諸君! 私は戦争が好きだ!」から始まる狂気じみた演説をしていた。
 

「このまま、うまくいけばいいんだ
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