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『八神はやて』は舞い降りた
第6章  『八神はやて』
第51話 ハヤテのごとく!
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だろうか。
 そうだとしたら、死んだとしても悔いはない。


 もともと、アルハアードに行けるとは考えていなかった。それでも、縋ってしまったのは、自身の弱さだろう。死者を蘇生させる方法を探して、研究に研究を重ね――――疲れ果てた。
 次元震を起こし虚数空間に落ちたのは、消極的な自殺に過ぎないのだから。「人形」は……フェイトは無事だろうか。


「今になって、フェイトの心配をするなんてね。私には、心配する資格はないというのに……」  


 もう一度呟く。そこで、やっと頭が覚醒してきた。はっきりとしつつある視界は、白い。
 だが、ここは死者の世界ではないようだ。五感が、「ここは現実世界である」と訴えかけている。消毒液の匂いがする――どうやらここは、病院のようだ。


「半分死人の私を助けるなんて、余計な真似をしてくれるわね」
「――――お目覚めでしたか。よかったです。貴女には聞きたいこと山ほどがあるのだから」
「誰ッ!?」


 女性の声がした方向を見ると、メイド服を着た美女がいた。だが、その姿は、痛々しい。涙を泣きはらしたのか目は腫れ、隈ができている。ひどく疲労しているのか精気が感じられず、幽鬼のような形相だった。
 思わず身構えようとして、ボロボロの身体では、何もできないことに気づく。いや、目の前の女性は自分よりも死にそうではあったが。


「危害を加えるつもりはありません」
「わざわざ助けたのだから、当然ね……私のそばにアリシア――――子供の遺体がなかったかしら」


 一番の気がかりを尋ねる。アリシアのことなのに、感情的にならずに済んだのは、諦観のせいだろうか。


「あのシリンダーに浮かんでいた少女ですか? 大切に保管されているようでしたので、こちらで、手厚く保管してあります。余計なお世話でしたか?」
「……いえ、礼を言うわ。あの子は、私の命よりも大切な、私の娘よ。結局、生き返ることはなかったけれど」


 自分でも意外なほど、蘇生に失敗した事実を述べることができた。「人形」――いや、もう認めよう。 フェイトとの最後の会話は、「親」としての記憶を想起させるものだった。
 もはや摩耗した記憶の先にある、母親だったときの感情。狂人と化した自分を、最後に正気に戻してくれた。
 フェイトは――私に残された最後の娘は、無事だろうか。


「先ほど言った通り、貴女には、いろいろと聞きたいことがあります。しかし、その身体では、長く持たないでしょうね」
「ええ、その通りよ。せっかく助けたというのに、残念だったわね」


 なぜ、自分を助けたのかは、わからない。現状も、アリシアのことも、フェイトのその後も、何もかもわからないことだらけだ。


「いまの医療技術では、貴女を助け
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