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自然地理ドラゴン
二章 追いつかない進化 - 飽食の町マーシア -
第24話 五体復活(1)
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で死ぬことになるからな……。あの世でじっくりと考察するがよかろう」

 町長はフードの男から剣を受け取り、抜いた。
 シドウは横を見る。
 ティアとアランは目が合うと、頷いた。

「この様子だと、こちらがどう考えるかはあまり関係なさそうだね。シドウ」

「ティアさんの言うとおりですね。どちらにせよ、ここで戦わなければ我々は死ぬことになるようです。町長については……シドウくんに判断を委ねようかと思いましたが、悩む余地は最初からなかったのかもしれませんね」

 シドウは後ろにも目をやる。
 自警団に冒険者たち。全員が頷いたのがわかった。

「では、俺がやります」

 ティアとアランに対し、シドウは意思表示をした。

「見られることになりますが……覚悟は大丈夫ですね?」
「仕方ないと思います。町の方々は少しでもケガをすると危険な身ですから、俺一人でやります」
「そう言うと思いました。ではお願いしますね」

「はい。ティアとアランさんは後ろの人たちのことをお願いします」
「まっかせなさーい!」
「お任せください」

 シドウは背後の自警団と冒険者たちに「そのまま下がっていてください」と言うと、前に出た。
 一人で、町長以下アンデッド軍団と対峙するようなかたちとなる。

「ほう。お前一人で戦うのか? この絶望的な状況で頭がおかしくなったか」
「……」

 その煽りには答えず、後ろの人間たちが十分下がったことを確認すると、シドウは変身に入った。

 服が破れ、体が膨張する。
 逆三角形の額と、厚みのある顎を持つ頭部。
 長くて力強い首。
 鱗に覆われたスマートな体。
 大きな両翼と、その先端にある鉤爪。
 長く伸びる尾。

 広い裏庭で、シドウはドラゴンの姿となった。
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