第3章 リーザス陥落
第96話 悪魔回廊再び
[4/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ス軍と、それに与する者どもに告ぐ。 我々は王都リーザスを占拠し、この鉄壁で貴軍らの侵攻を完璧に、完膚なきまでに阻んだ。今後も事態が好転する事はあり得ない。それが現実である。
よって現状 諸君らの未来は無い。……が選ぶべき道はある。ただ一つだけ。
それは、潔く降伏する事だ。今ならば、その勇戦を称え、寛大な処遇を考慮しよう。
シィルは最後まで読み切った後、手紙を伏せた。
「……以上です」
当然ながらこの場の誰もが納得する様な内容ではなかった。
「……何言ってるの!? 追い詰められてる癖に、降伏しろだなんて……!」
「一体何様のつもりよ。たった1度追い返しただけで、完全に上から目線。……腹が立つわね」
かなみと志津香がそういう。ロゼもそれを訊いて頬をぽりぽり、と掻きながら。
「ふーん。何だか 相手の性質ってか、性格ってか ちょっぴり見えてきたって感じねー、何だか器がちっちゃい相手っていうかー。皇族とかが来てるって聞いたけど、でっかいガキって感じかしら? たった一回で覚えた快感に浸ってる感じよね〜」
「あ、それオレも思った。玉座にふんぞり返ってるだけの無能って感じだ」
不意に口にしたロゼの言葉は、何処か核心をついている様な気がするのは気のせいじゃないだろう。ミリも同じく頷いていた。そしてユーリも。
「ロゼに真顔でそこまで言わせるんだから相当だな。……が、その意見にはオレも同意だ。……まぁ 図体はでかいが ヘルマンの皇子は お坊ちゃんって感じなんだな」
ユーリはそう言って座った。
今後の作戦を考えなおさなければならない。
城壁はまさに鉄壁。リーザスの壁は鉄壁であり中にいるヘルマン軍を護る要塞だ。攻めてきた相手を護ってるとは複雑な気分にもなるかもしれないが、あの壁を越えなければ先には進めない。
「(空からも駄目だ。翼をもつフェリスでも回避しきれない程の攻撃がくるんだからな。……それに、フェリスには無理はさせられん)」
「………ふんっ」
ユーリが何を言っているのかは悪魔故に人間よりも遥かに聴力が良いからフェリスはしっかりと聞こえていた。ロゼに言われた言葉もまだまだ耳に残っている。
ユーリには 何を言っても……多分無理なんだろう。
「(私の事を……、な、仲間だって思っている内は………)はぁ……、片方は最悪なのに なんでこんな極端なんだ…………」
フェリスは、今の自分が不幸なのか 本当に不幸のどん底なのか判らなくなってきていたのだった。フェリスの言う片方だけであれば 間違いなく不幸のどん底だという事は判るんだけれど。
「がははははは!! 流石はオレ様だ! オレ様は頭脳明晰。凡人とは全く違うのだ! おい、訊いて喜べ。オレ様に股開いて奉仕
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ