第3章 リーザス陥落
第96話 悪魔回廊再び
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りに徹している。……この戦争の中でも最も厄介な相手だという声もあった。
「ちっ……手詰まりではないか。おいユーリ、リック、清十郎。お前ら3人が何とかして来い」
ランスが男の名前を覚えた事(付き合いの長いユーリは兎も角)には それなりに驚くのだが、この3人は戦闘狂だという認識が強く 何度も目撃していて あまりにそれが強烈に印象的だったので、流石に覚えたのだろう と推察できる。
「だから 無茶言うな」
ため息を吐いてそういうユーリ。
「ミリではない、が。オレ自身も受けばかりは性に合わん。……一方的な攻撃。高い位置からの攻撃だ。回避ばかりの戦、戦う相手がおらん戦場。それ程つまらんものはない」
「自分も……恐れ多いですが 同意見です。……あの城壁を突破した時に、全身全霊で戦う事は誓いますが、現状では少数精鋭での突破は効果は薄いかと……」
3人の意見を聞いてランスは再び唸る。
「ちっ、お前らなら喜々とさせながら向かっていくと思ったのだがな」
「……時と場合ってのがあるだろ? いくらなんでも」
ユーリはごもっともな事を言ってるのだが、喜々とさせながら〜 と言う部分を否定していないので、ユーリ自身も戦闘狂である、と言う事をそれとなく認めてしまっているのだろうか……? と思ったが 一先ず置いておく。
「そんなの駄目に決まってるじゃない! たった3人だけなんて! この馬鹿」
「アンタが行けば? 私より良い具合に焼いてくれるかもしれないわよ。ほら アンタは焼けても死なないんだし」
「トマトも反対ですかねー。でもユーリさんが行くならトマトも行くですかねー! トマトとユーリさんは一蓮托生ですです!」
と、他にもちらほらと盛大な駄目だしを喰らってしまったランス。
「だぁぁ! やかましいわ! ちょっと言ってみただけだ! 男なぞ 死んでも構わんが、どうせ死ぬならオレ様の為に戦い尽して死ぬべきで、こんなとこで無駄死になどさせるか。勿体ない!」
「…………ランス様」
そう返すランス。
何だかんだで 男であってもこのユーリは勿論 リックや清十郎の事は認めている節は今まででもよく判る、と言うものだ。特にランスの傍で長くいるシィルはより判っていた。
男で、更に気に入らない相手の場合 容赦なく叩きのめして 時にはザックリと斬ってしまう時だってある。それ程までに男に対しては横暴な面が強く出過ぎていた。でもユーリ達には至って普通、と言っていいから。
「(と、それどころではなかったです……!)ランス様。あのー 先程ヘルマンの使者と言う人が来て、こんなのを渡していきましたけど……」
「なに!?」
ランスは直ぐにシィルの元へと行く。
このタイミングで使者をよこすとは思わなかった
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