ケッコン協奏曲 〜赤城〜
5-β.あなたの声を響かせたくて
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みに耐えられなくなってきた。天龍二世さんを床におろし、自室まで自分で歩いてもらうことにする。
「それじゃあ天龍二世さん。おやすみなさい」
「コワイカー」
私の部屋の前で、天龍二世さんと別れる。部屋に入ったら大きな伸びをした。途端に体中に襲いかかる疲労感。これは、提督によってやる気スイッチをオフにされたことからくる倦怠感と、執務室での籠城の疲労のダブルパンチだ。
「この赤城……さすがに今日は疲れました……」
寝巻きに着替えて布団を敷く。いつもやってることのはずなのに、やたらとめんどくさく感じたのは、きっとやる気スイッチがオフになってるからだ。提督の能力の残滓が、やたらと私の行動にブレーキをかけようとする。
やっとの思いで布団を敷き終わり、中に入って明かりを消した。
「ふぅ……寝ますか……」
途端に瞼が重くなる。体中の機能がひとつずつ停止していくのを実感しながら、その心地よさに身体を委ね、私は夢の世界へと没入していった……。
……まだ悪夢は終わってないということを知らずに。
………………
…………
……
……
…………
………………
翌朝。気持ちのいい朝日に照らされ、私は実に気持ちよく目をさますことが出来た。
「んん〜……ッ!!」
朝一番の伸びが心地よい。久しく感じてなかった、よく眠り、疲労がシッカリと取れた証だ。伸びをした後で普段着に着替えた私は、昨日のハラヘリを若干引きずっている空腹を解消するべく、食堂に向かうことにした。
食堂には、すでに何人かの艦娘たちが集まり、おのおの朝食を取っている。食堂に充満する、このお味噌汁の香りは……爽やかな朝に相応しい、油揚げと長ネギの田舎味噌か。素晴らしい。この清々しい気持ちに相応しい絶妙なチョイス。鳳翔さんの、長年の料理上手としての勘が冴える。
「おはようございます!!」
そんな素晴らしいお味噌汁の香りに気を良くし、私は食堂内の喧騒に負けない声で挨拶をした。こんな素晴らしい朝は、やはり気合の入った気持ちのいい挨拶が相応しい。
「あ、おはようだクマー」
「おはようございます球磨さん!」
朝食が乗ったおぼんを手にした球磨さんが、私に挨拶をしてくれる。その様子は、昨日のような血迷ったピンクの情熱は感じられない。
「赤城、昨日の約束は申し訳ないけどナシにしてほしいクマ」
「お忙しいんですか?」
「今日の遠征は遠くまでいかないとダメなんだクマ……まぁ、わざわざ2人でなくとも、いつもみんなと一緒にご飯食べてるし」
「そうですね。では、また機会があれば」
「了解だクマ」
うん。球磨さんは元に戻っているようだ。昨日の作戦の効果を確認した私はそのまま朝食を受け取るべ
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