ケッコン協奏曲 〜赤城〜
5-β.あなたの声を響かせたくて
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とに専念した。
「んじゃ本題に入ろうか」
「早く赤城を!!」
「赤城と一緒にお風呂入るクマッ!!」
「うう……天龍二世……俺のもとに……戻ってこねえのかなぁ……」
みんな思い思いのセリフを口走って、提督の話をまったく聞いてない……しかし大丈夫。提督の声は、こんなことで遮られるほど、脆弱な無気力ではないはずだ。
「えー……深海棲艦サイドとの停戦に関しての、我が鎮守府の活躍が……」
「赤城ー!! どこにいるクマー!?」
「赤城は私の大切な弟子です!」
「私と夫にとっても、アカギは大切な存在だ!!」
「集積地さん……電のことを夫だなんて……てれてれ」
がんばって! 負けないで下さい提督!!
「……我が鎮守府のがんばりが、司令部にも改めて認められた」
「それはいいから早く私の赤城を!!」
「今晩は赤城と一緒の布団でごろごろするクマッ!!」
「今晩赤城さんと一緒に寝るのは電と電の奥様なのです!!」
「あんっ……イナズマぁん……もうやめてぇん……」
「うう……天龍二世……寂しいぜ……姐さん……俺を慰めてくれねぇか……」
「ついては、俺からみんなに言いたいことがある」
そこです!! 提督!! 今こそあなたの必殺技を繰り出して下さい!!!
「みんなありがと。お礼にみんなに間宮のチケットあげるから、明日みんなでクリームあんみつでも食べて来なさい」
執務室の気温が、5度下がった。
「「「「「……」」」」」
10秒ほど時間が止まり、全員の頭の上に浮かんでいたハートマークが、パリンという音とともに砕け散っていく様が、私には見えた。
「……え、け、結構ですが……」
「そお? 大盤振る舞いだよ?」
「理由はさっぱりわからないけど、テンションだだ下がりだクマ……」
「なんで? 間宮のクリームあんみつ、みんな大好きだろ? 美味しいよ?」
「た、確かにそうなのですけど……」
「……不思議だぜ。さっきまで興奮してた頭がすんげークリアになった」
「なんでよ……お前さんたちの普段の頑張りを労おうと思って、うんうんうなって考えたのよ?」
「いや、確かに提督の気持ちはうれしいが……」
「ものすんごいテンションが下がったのです」
これだ。これを狙っていた。作戦は大成功だ。
常日頃からそうなのだが、提督は人のヤル気を削ぐのがとてもうまい。それが意図したものなのか、それとも無意識的なものなのかは分からない。だが、どれだけ士気が高い艦娘であっても、提督と二言三言話をすれば、そのやる気は一気に減退してしまう。
特に提督の場合、感謝の言葉やねぎらいの言葉にその傾向が強い。目が死んでいて、本音なのかウソなのかよくわからない状態での『ありがとう』ほど、うさんくさいものはなく、そ
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