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ブレイブソード×ブレイズソウル~偽剣と共に歩む者~
プロローグ
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―――雪が…踊る…舞い踊る妖精の様に
それは次第に激しさを増し
荒ぶる吹雪と変わる…




キンッ!ギャリッ?ギィンッ?!


白銀の世界で何かがぶつかり合う音が響く
それは辺りの建物、降り積もる雪すら吹き飛ばすほど激しさを増してゆく…

その中心となる者は二人、片方は巨大な白い刀身に血のような紅いラインが入った大剣を持つ少年
そしてもう片方は…上半身は女性、下半身は異形の【ナニカ】だった

【フンッ!】
「ガッ…!?」

――幾度とないぶつかり合いの中、一瞬の隙きを突かれ異形に少年が弾き飛ばされる
「グッ…!」
だが、いくら弾き飛ばされども少年は剣を杖にする様に立ち上がり、もう一度…剣を倒すべき【敵】に構え直す

『…マスター、これ以上は…』
「分かってるッ…!」

血に塗れ、片腕を折り、片目を潰されても尚立ち上がり続ける少年
…普通ならばとっくに死んでいる様な傷を負いながらも立ち向かってくる者に対し鼻を鳴らしながら異形は嘲笑する

【人間の割には良く持った方だ…だが、これで終わりだ
貴様を消し、この世にもう一度…】

「…ッ!黙れよ…まだ俺は戦える!」

【…愚かだな】

そう言うと、異形は辺りの魔力を集め始める

「!やれるか!?――――――ッ!!」
『…えぇ、マスターが望むのなら』

轟、と少年の体から魔力が迸る
それは辺りの地面を砕き、空間が悲鳴を上げるほどに高まっていく
「はぁぁぁぁぁぁぁぁあッ!!」
【消え失せろ!人間ッ!!】
「消えるのは…―――!テメェだぁぁぁぁあ!!」

二つの莫大な魔力を乗せた一撃がぶつかり合い…そして―――




〜〜〜〜〜


――ふと、目が覚めると見慣れた天井が見えた

「………また、か…」

少年はベッドから体を起こし、立ち上がる
その体は汗でビショビショになっており、悪夢か何かに魘された後のようであった

「着替えるか…」

〜〜〜〜〜

汗で濡れた服を脱ぎ捨て、軽く体を拭いてから新しい服に着替える

「今日は誰も居ないんだったな…」

ポリポリと頬を掻きながら「もう少し寝てても良かったかなぁ」と呟く
見れば時計は早朝の6時を指していた

「んー…朝の挨拶がてら散歩でもすっかな」

軽く外へ出る準備をし、玄関にある3つの札の内一つを裏返す
そこには…
【十夜・外出中】

「さて、行ってきます」

誰もいない家に向けて声を掛け、少年…十夜は外へ出る
――開け放たれたドアからは冷たい風が流れて来た




〜〜〜〜〜


外は凍えるような寒さで、昨晩大雪でも降ったのかそこら中が真っ白な世界に染まっていた
―――魔
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