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Exhaustive justice
一話
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た槍を抜き、攻撃に備える。
帝は取り出したナイフの刃を零司に向けて何かのピンを抜いた。
その瞬間、空を切る音がしたのも束の間、肉を抉る音が聞こえた。

「クッ???クソッ、ナイフを飛ばしてきやがった??!?」

零司の左胸にはナイフが深く刺さっていた。幸い、肺には当たっていなかった様だった。

「油断したな?スペツナズナイフだよ…次は心臓に当てる…」
スペツナズナイフとは、ソビエト連邦の特殊部隊が使っていたとされる、所謂刀身を射出可能とする『弾道ナイフ』と呼ばれる代物である。

帝は再度スペツナズナイフを構える。

しかし零司は不敵な笑みを浮かべてこちらを睨んでいる。
帝は懐にもう一つ武器を用意しており、スペツナズを避けたとしても逃れられない第二矢を用意していたが、

「うおぉぉぉぉぉぉ!」

零司は雄叫びを上げて、帝の元まで走り抜く。帝は突然の予想外な行動に反応が遅れると、零司は帝を通り過ぎ、女性の制服を掴んで近くに有った窓から逃走を図った。

帝は零司が逃走した窓を見つめ、スペツナズナイフをマントの中へとしまう。
走り抜く零司にスペツナズナイフを当てるのは簡単ではあった、しかし、それで急所を撃ってしまったら『殺してしまう』

「…二年の一ノ瀬零司。奴は校則を破ったことは無いため、裁けなかったが…」
零司に殴られた腹部を押さえ、窓を睨む。

「一度、本気で処罰を下さなければならんかもしれんな」

外から救急車の音が聴こえたのを感じ、廃ビルを後にした。
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