一話
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!!!」
『処罰』と称された拷問の後に発せられる悲鳴。
そこにいた少女はその悪魔的行為をただ黙って見ていることしかできなかった。
肉体全域全てが感じる恐怖、少女に逃げ出そうなんて考えすら思いつかない、足が竦んで動けるはずも無かった。
最後の男が『生きる肉塊』になった後、『彼』は携帯電話を手に何かを話していた。
今のうちに逃げ出そうと、我に返った少女は壁を背にゆっくりと扉側まで移動する。
しかし、電話は直ぐに終わったようで、『彼』はこっちを振り向く。
「ひっ」と嗚咽と悲鳴が混じった声が出た後にその場にへたり込む。
『彼』が近づく程にその顔色は優れないものとなって行き、挙句の果てに失禁してしまう。
『彼』が何かを言っているが少女には聞こえるはずもない。
もうダメだ、と少女が悟った瞬間に扉側で誰かが叫ぶ。
「君が綾野か!?」
叫び声に釣られ、『彼』がその男を見ると共に落胆の息を吐く。
「一ノ瀬 零司…また貴様か???邪魔はするな」
「ちと、これはやりすぎだな、風紀委員長、 月雲 帝!」
『彼』、いや。帝は冷酷な眼光でさっきを帯びて零司を黙視する。
零司の方も殺すような眼圧、その目はまさに太古の戦士のようだった。
一触即発。
先に動いたのは、零司の方だった。
一瞬で帝との距離を詰め、風を切る程の速度のパンチを帝のこめかみ目掛けて放った。
帝はその攻撃に対して、マントから素早く鎖鎌を取り出し、零司の腕に鎖を巻き、腕を引っ張って攻撃の方向をずらした。
「攻撃の方向を変える事に、さほど力は要らない。貴様の桁外れのパワーでさえもな、このまま貴様の腕を鎖で締め上げて木っ端微塵にしてやりたいが、そこまでのパワーは俺には無い」
そう言って帝は鎌を零司の心臓向かって降り下ろした。
「俺にはもう一本腕が有るんだぜ!?」
零司は叫び、拘束されていない左腕で帝の腹を殴った。
信じられない速度だった。零司が拳を握った、と思った直後、拳は帝の腹部を抉っていた。
帝もこれには堪らず、胃液を吐き出して武器を手放して、距離を取った。
流石の帝も咄嗟だったために、着地に失敗して体制を崩して先ほどの衝撃に咳き込む。
「やはり、その圧倒的なパワーとスピード…野放しにしておく訳にはいかんな」
「てめえになら遠慮はしなくても大丈夫だな!?安心しろ、殺しはしない」
「ナメるな」
眉を顰め、帝はそう言い放ち、マントから槍を取り出して、零司へと投擲した。
零司は咄嗟に、両腕を体の前で交差させた、腕に槍が刺さったが体に槍が刺さることは防いだ。
「ジャベリン…投擲に優れた槍だ」
帝はまたもマントから武器を取り出した。
零司は腕に刺さっ
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