第二章 Lost Heros
この胸には一つの想いを
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下半身が消えた。
ゆらゆらと揺れながら、蒔風がそのまま先に進む。
そして、残った上体の左下から、スゥ・・・・・――――――――となくなって行った。
だんだんと向こう側が透けていって、綺麗な夕日の光がこちら側にまで来る。
すでに影など、残っていない。
そうして、光の中に溶けるかのようにして、蒔風の全身がとけるかのように消えた。
蒔風から出た粒子が空を舞い、地面や建物、全員に降り注いで、その怪我が治っていく。
全て元通りになった。
何一つとして、「異常なモノ」はここにはいなくなった。
こうして
世界を一人でめぐった銀白の翼人、蒔風舜は
希望と共に、世界に溶けていなくなった。
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「ぁ・・・・・・・」
「消え・・・ちゃった・・・・・」
「舜君・・・・・」
「アリス・・・あいつは・・・・死ん―――」
「死んだわけではありません」
「え・・・・」
「彼は、「願い」として消えたのです。その体が分解され、世界に溶けた・・・・彼の思念は、どこかに生きているかもしれませんね」
「・・・!!ライフストリーム・・・・・」
「そこかもしれませんし、そこではないかもしれません」
「戻って・・・・来るの?」
「わかりません。でももし・・・・・世界中の人々が彼を必要としたとしたら・・・・ただ会いたいなどではなく、本当に必要としたとき・・・・もしかしたら、本当にもしかしたら、彼の翼が反応してくれるかもしれません・・・・・それに・・・・」
「それに?」
「この世界には・・・なんという皮肉でしょうか・・・・まだ彼はいるのですよ。
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