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世界をめぐる、銀白の翼
第二章 Lost Heros
この胸には一つの想いを
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るというのか。




そんな物は、私が許されたいだけだ。
今消えゆく彼に、更に自分を許してくれと・・・言われたいだけなのだ・・・・







「私は・・私は・・・・・」

「ありがとう」







が、それでも蒔風の口から出てきたのはこの言葉だった。





「そんな貴女だから、俺は戦ったんだ。俺はあなたの世界で、心からよかったと思う。皆を守れて今、とても感謝している」

「でも・・・でも・・・・」




「なにも出来なかった・・・・ね」

「・・・・はい・・・・」






「近頃そう言う奴がどうにも多いよなぁ・・・・じゃあま、一言だけ言っといてやる」






そうして、蒔風が人差し指を立てながらこちらに振り向き、励ますようにアリスに言った。









「人の価値は、何ができないか、じゃない。何ができるか、だ。成績表にできないこと書いて行く者はない。テストは正解点を数える。出来ないことを嘆かないでくれ。出来ると言う事を誇りに持ってくれ」






「ぁ・・・ぅ・・・・」





「貴女は俺を救ってくれた。皆を救う、力をくれた。こんな歪んだ俺でも、皆を守って、胸を張って生きてこれた。だから・・・十分だ」







そうして、蒔風が踵を返して、歩いて行く。





その歩く先には、今沈もうとしている、綺麗な夕日が、煌々と光りながらそこにあった。










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蒔風が振り返らず、歩きながら右手を軽く上げてから振って、別れを告げる。





























最初に左腕が、光の中に溶けるように消えた。






























次に、右足が粒子に流れながらなくなる。
しかし蒔風の身体は崩れることなく、そのまま歩みを進めていた。































そして、左足が透けていき、粒子を噴いてパァ・・・と消えた。
























身体が順番に、ゆっくりと、うっすらと消えていく。








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