第二章 Lost Heros
この胸には一つの想いを
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舜・・・・」
「・・・・クラウド」
「せっかく・・・同じ世界になって・・・・・これからたくさん恩返ししようと思っていたのに・・・私たちは何もできない・・・助けられない・・・」
「オレたちは・・・そうだ、ずっと助けられてきた・・・・世界をお前に救われ、俺たち自身を救われ!!恩返しもさせないで・・・勝手にいなくなる気か!!!」
「そうだ、オレは勝手に消えるのさ」
観鈴とクラウドの言葉に、蒔風が皮肉気に笑いながら、二人を過ぎて、背中越しに最後の言葉を交わした。
「・・・とんだ英雄だ・・・・」
「どっちつかずだったからなぁ・・・・」
ははっ、と笑いながらそうして、二人を過ぎて、その先に進む蒔風。
「蒔風」「舜」「舜君」「蒔風」「マイカゼ」
そうして歩いていると、次々と声をかけられる蒔風だが、それでも彼は止まらない。
歩き続け、そして、身体から粒子がこぼれ続けて行った。
「舜!!!」
と、そこに理樹と一刀が駆け寄ってきた。
「そんな・・・・待ってよ!!」
「お前らなら大丈夫だろうからな。厄介者は早々に退散するよ」
「バカ!!」「野郎!!!」
蒔風がそんなことを言うと、二人が蒔風の腹を殴った。
おフッ、と少し身体が折れる蒔風だが、それを笑って受けていた。
「はは・・・良い攻撃」
「厄介なんて思ったことは・・・・まあ前にはあったけど・・・・でもそれでも!!いなくなって欲しいなんて思ったことはない!!」
「また・・・帰ってこいよ」
「絶対はない、と言っておこうかね」
そうして、蒔風がさらに先へと歩を進める。
そして、みんなの輪を抜けたところで、アリスがその中から走ってきてその背中を引きとめようとした。
が、その手は伸ばそうとして伸ばせず、言葉も出そうとしても出なかった。
「・・・なに?」
「ぁ・・・わ・・・私は・・・・・私は・・・なにも・・・あなたに・・・本当に・・・できなかった・・・・・」
アリスが言葉をたどたどしく紡ぐ。
今さら、自分が何を言えるのだろうか。
彼をこの道に連れてきたのは自分だ。
彼のこんな力を覚醒させてしまったのは私だ。
彼がここで消えてしまったのは、私の責任だ。
そんな私が、ここでどんな言葉をかけられ
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