第二章 Lost Heros
果てなき希望
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“LOND”がアリスに向かって歩む。
蒔風は、軋む体を起こそうと地面にめり込んだ体を起こそうとするが、地面から外しただけで立ち上がれなかった。
仰向けになって、首を倒して見ていることしかできない。
拳を握る。足を踏ん張ろうと足の裏を地面につける。
しかし、もはや立てない。
体力はあるというのに、身体が立ち上がってくれないのだ。
“LOND”の攻撃は無造作で、それでいて確実に蒔風の体を確実に破壊していた。
ようはエンジンが破壊された車だ。
体力はあっても、身体が潰されているようなもの。
だが、それでもまだ、彼は立つ術を持っていた。
「舜君!!!」
「舜!!あんた・・・・大丈夫!?」
こなたとががみが駆け寄ってきてその手を取った。
だが、蒔風の身体はあの儚さとは裏腹にかなり重く感じられた。
「おーい・・・・聞こえ・・・てるか?」
と、そこで蒔風が口から声を漏らした。
それを聞き、耳を傾ける二人。
「聞こえてるよ!」
「そ・・・・っか・・・・なあ・・・オレ今スゲー疲れててさ・・・・立てないみたいなんだ・・・・」
「う・・・・・うん・・・・」
「だから・・・・・「がんばれ」って・・・・言ってくんねぇかな?」
「それは・・・・」
「頼むよ・・・・」
一瞬、口ごもるこなた。
その一言で彼は確かに頑張れるだろう。
立ち上がってゆくだろう。
立ち上がって行ってしまうだろう。
もうこれ以上はダメだった。
どう見ても、彼は戦える人間の体をしていない。
でも
「また・・・取りこぼすのは嫌なんだ・・・・みんなの力が必要なんだ・・・・あんなことしといて虫がいいかもしれないけど・・・・・もう・・・・失うのは絶対に嫌なんだ・・・!!!」
それを聞いて、こなたとかがみは悟った。
この男は、絶対に行く。
ここで自分たちが何も言わなくても、這ってでもあの男のもとに行き、噛みついてでも立ち向かうだろう。
そんなことがわかりきるくらいに、この男の言葉には力があった。
現に今も、動こうとして少しずつそちらの方に移動している。
だったら・・・・・自分たちにできることなど、もう一
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