第二章 Lost Heros
果てなき希望
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蒔風の背中に、更に純白の翼が生え、衝撃波で"LOND"を吹き飛ばした。
その威力になにもできず、弾けたように吹き飛んで地面に落ちる"LOND"。
そして、蒔風が手をかざすと蒼青の翼による武器が現れ、それが一斉に降り注いだ。
実に三分はそれが続いたか。
終わるころには"LOND"の身体はいくつもの剣に突き刺さって、まるで磔にされているかのようにぶらりとぶら下がっていた。
「ようやく・・・神に見えてきたじゃないか」
それを見て蒔風が皮肉を言う。
「・・・のに・・・・」
が、それにちして帰ってきたのは、"LOND"の苦痛の声だった。
しかしその苦痛は、今この痛みによるものではない。
「せっかくここまでやって来たのに・・・全て終わる・・・だと・・・・?」
「この世界が一つになった時から・・・こんなこと考えていたのか・・・・」
「この世界・・・?ふふ・・・ふふふはははははは!!!!そんなものだと思っていたのか!?オレがどれだけ時間を費やしたか!!!その程度だと思っていたのか!!!!」
「なに?」
"LOND"がブチブチと身体を引き裂きながら地面に降り、ズルズルと再生しながら独白した。
「全てオレの計画だ!!脇役をそそのかせば、最終的にこうなることはわかっていた・・・・・世界を一つにすることぐらい、誰だって考えるからなァ!!!」
「まさか・・・貴様・・・」
「長かったんだぞ!!本当に長かった・・・・素質のある脇役なんざ、どこにでもいるようなもんじゃねえからな。その人間を探して、そっ、っとささやいてやれば簡単だった・・・・あの男を見つけて、お前が戦って、世界が一つになって・・・・全て完璧だった!!!それを・・・・お前が・・・全部台無しにしやがった・・・・・俺があんなにも時間を費やしたものを、貴様がァアアア!!!」
「お前が・・・「奴」を・・・・・」
「そうよ!!オレだ!!はははは!!あいつが本当に勝手に気付いたと思ってんのか?バカが!!あんな脇役に何かができるわけねえだろうが!!全部オレのおかげだ!!!オレがお前らのストーリーを作ってやったんだよ・・・それを・・・此処に来て全部・・・全部ブチ壊しやがって―――――――――」
「このクソ野郎ぁぁああ!!!」
瞬間、蒔風の右手に十五天帝が握られた。
そして、もう片方の手――希望の粒子で作られた左手には、かつての彼の敵であり、そして彼自身であった者の剣が。
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