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世界をめぐる、銀白の翼
第二章 Lost Heros
終末への戦い〜総てを賭して、立ち上がる者〜
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け戦ったことだけはある・・・・フンッッ!!!!」

「ゲッブッッ・・・オゴッ・・・・・ッハ・・・ゴ、ふ・・・・・・・」



“LOND”の拳が地面に倒れる蒔風の鳩尾にめり込み、彼を中心としたクレーターを作り出した。

蒔風の肺から空気が押し出され、口からは空気と一緒に音が漏れてきた。
それはただ単に喉を通って来た際の呼吸音なのか、それとも痛みからくる呻きなのかはわからない。



一撃で沈めた。



攻撃――否、全ての力はすでに、蒔風を越えている。


蒔風は確かに疲弊してはいるが、体力自体は万全なのだ。
なにせ、さっきまでようは寝ていたのだから。



それを潰し、一撃で止めた。


今、管理者“LOND”以上の力を持つ者はいない。



唯一そうであろうアリスも、体がぼろぼろで戦うことなどできない。







そして、瓦礫に寄りかかり崩れる蒔風の足元に、“LOND”が立って言葉をつづけた。



「だがまあそれまでだろうよ。そこで見ていろ。やっと成就する・・・・俺がこの世界を管理する。そのためにここまでやってきた・・・長かったぜ・・・俺が唯一の神の者になる!!!絶対なる存在に・・・楽しみだぜ・・・・どんな世界が出来るかなぁ!!!」


「あなたは・・・そのつもりで・・・!?」



その言葉を聞いて、アリスが驚愕する。
この管理者は―――この男は、最初からこのつもりだった。


世界を自分のものにする。



思い通りの箱庭を得ようとしたのだ。







だから、世界が安定してすぐに、ほかの三人を(そそのか)して一番の障害になるであろうアリスを襲った。


一番の懸念である蒔風は目覚めないから大丈夫だし、いざとなれば自分が抑え込めるから、と言い包めて。



ほかの三人はそれを信じた。
彼らは悪くはない。ただ、愚かだったのだ。


管理ばかりし、その重みを知らなかった。背負うことを知らなかった。
そのことがどれだけ大事か、わかっていなかったのだ。



そうしたことを知らない彼らは当然「罪」を知ることがなく、そして、免疫がないために騙されて利用され、簡単に彼に染まった。




結局、わかっていたのは二人の管理者だけだった。




日常の“No name”
非日常の“LOND”




両極端にありながら、二人は同じことをしっかりと理解していた。



「それ」は背負うべきものである、と



だが、そこから進んだ道は今こうして、はっきりと違えている。





「そのためにここまでやった!!あの男はもう立てん・・
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