第二章 Lost Heros
終結→破滅
[4/4]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
わった・・・終わらせた・・・・・」
左腕の斬り口を布で縛って止血する。
そして蒔風がケタケタと笑いながら、右腕を広げて上空を仰ぎ見、狂ったように声を上げた。
「やった!!やったぞ!!!これでいい・・・これでいいぞ・・・・!!!」
そうして、懐中時計を取り出して、その針を見る。
もうほとんど頂点だ。
あと一度もない角度に迫っている。
「間に合った・・・ハァ・・・ハァ・・・間に合ったぞ・・・・あ・・が・・・・」
その時計を投げ捨て、狂気に取りつかれたように笑う蒔風が、どこともなく足をふらつかせて進む。
しかし、すぐに倒れ込んで木に寄りかかってしまった。
だが、それでも蒔風は嗤っていた。
「さあ・・・・はじまるぜ・・・・こっからだ!!!来いよォ・・・・・この瞬間のために、存分に練って来てやったんだからな・・・・」
蒔風が気から手を放し、自分の足で立つ。
ガクガクと震えながら、メトロノームのように揺れながら、蒔風が上空を仰ぎ見た。
「かかってこいよ――――世界」
直後、地面に捨てられた時計の針が頂点を指した。
そして、蒔風の身体がビクンと揺れ、ガクリと崩れ、そのままの表情で倒れた。
「――――――――――――――――!!!!!!」
言葉にならない悲鳴が上がり、一人の男が誰もいない森をのたうちまわる。
彼の心に、「総て」が圧し掛かっていた。
to be continued
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ