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世界をめぐる、銀白の翼
第二章 Lost Heros
最終戦、最後の一人
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れが、未来を無視した行動であっても、だ。












ドドドドドド、ザシュッ・・・・・・・・




想像よりもはるかに静かな音と主に、フェイトが蒔風に突っ込んだ。


しかし、おかしい。




剣を打ちすえた音もしない。




回避し、受け流したのか?
違う、それならば地面に突き刺さったコンクリートが破壊された音がするはずだ。



回避はしていない。



ならば、導き出される答えは一つ。




「え・・・?」

「やっといて・・・驚くな・・・覚悟の強さを、見せてくれよ」

「そん・・・なっ!?」



ゴゴッ!!



直後、蒔風の右拳にブゥン、と絶光の光が宿り、光速で拳が振るわれてフェイトを撃ちすえた。



「ガはっ!!」

「・・・・・」



フェイトの左腕上腕に蒔風の拳が叩きこまれ、そのまま地面に叩きつけられる。

地面との板挟みに、彼女の内臓が圧迫されて地面に亀裂が入った。



「やめろ!!」



と、そこに銃弾を放つディエンドだが、蒔風が身体に突き刺さった刃でそれを器用にはじいた。



フェイトが地面に倒されて始めて見えた、蒔風の姿。




背中に三つ
左腕に二つ
左肩に一つ
それぞれにハーケンセイバーの刃が

そして、バルディッシュが右肩に突き刺さった状態で、蒔風は立っていた。




そう、彼は最初からなにも考えていなかった。



避ける?


受ける?


耐える?






笑わせる。そんな物に意味はない。






そこに必要だったのは、ただ目の前の相手を叩き伏せるこの腕。
そして、その腕の届く範囲に相手がいてくれさえすればいい。



そこにわざわざ飛び込んでくるのなら、喜んで受け入れようじゃないか―――――











蒔風の身体から、フェイトへダメージを与えたことでハーケンセイバーが消える。

身体から血が流れ出すが、この程度の出血ならまだ翼人は動ける。




《ワールド!!!》



「な!?」

「に・・・!?」




と、そこであの音声が流れる。

蒔風の右腕は、フェイトを地面に押し当てているので見えないが、何やらもぞもぞと動いていた。






「ばかな・・・あのメモリは探偵君が確かに・・・!?」

その事実に驚愕するディエンド。
それを無視し、蒔風は顔を上空を向け、視線だけをディエンドへと向けた。



「落ちよ・・・」


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