暁 〜小説投稿サイト〜
世界をめぐる、銀白の翼
第二章 Lost Heros
最終戦、開幕
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壁を突き破ってフェンリルに跨ったクラウドが蒔風へと突っ込み、それを蒔風が回避してなおも翠を追った。

蒔風に回避され、少し遅れて追ってくるクラウドだが、その距離は縮まりつつある。



と、そこで蒔風が翠の真横にバイクを追いつかせ、その横っ面を殴り飛ばした。



その直撃をガードはした翠だが、風足中だったこともありそのまま弾けるように壁に向かってきりもみで突っ込んで行った。




厳密に言うと風足とクロックアップは違う。

クロックアップは自らの時間の速さを操作することによるものだが、風足は単純な高速移動だ。
故に弾かれればこのように穴の開けられた風船のように吹き飛んで行ってしまう。



その翠を、バイクから飛び出したクラウドがキャッチし、壁に激突する前に押しとどめた。


ぐったりと頭をたらし、気絶してしまった翠を見て、クラウドが歯ぎしりする。



彼女をその場に寝かせ、漆黒の翼をはためかせて自動停車したフェンリルに飛び乗ってその後を追う。


翼によって加速した漆黒が、蒔風へと向かって行く。






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(ここでクラウドは速い・・・まずは他のメンバーからだ。おそらくそろそろ来るはず・・・む?)



そうして、蒔風が洞窟を走っていると、いきなり周囲の光景が変わった。




外に出たわけではない。ここはまだ中だ。


洞窟が途中から、舗装されたトンネルに変わっていた。
おそらくはここをハイウェイにするつもりで、その途中なのだろう。


そこに蒔風は入り込んだのだ。




いくつも入り組んだ道路。
その道路を真っ直ぐに進んでいく蒔風だが、Yの字に分かれているのを見て右にハンドルを切った。



直後




《Exceed Charge》

「ライオットザンバー!!」



ゴッ、ジュカッ!!!



ハイウェイの左右の壁を飛び越えて、蒔風の後方から二人が襲いかかる。

蒔風の背部と首を狙って、オートバジンに乗ったファイズのナックルと、背から金色の翼を生やしたフェイトのバルディッシュザンバーが、放たれ振るわれてきた。



それをとっさに跳躍して回避し、宙で回転してバイクの上に立ち二人に蹴りを放つ蒔風。


左右にいる二人はそれを受け止め、弾かれながらもなおも蒔風の横に付いてその後を追う。






荒野での襲撃からまだ十分。




荒野からの戦闘は、近代的なトンネル内へと場所を移して続く。





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