第二章 Lost Heros
最終戦、開幕
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だった。
「逃げろ!!見つかったぞ!!!」
翠の見上げた先を見て、シグナムが飛びかかって行こうとするがその肩を翠が掴んで止める。
そしてそのまま二人を担いで走りだそうと、足に力を込めた。
だが
バツンッ!!
「アぐっ!?アアアアアアア!!!」
ドォン!!
男――蒔風の右腕から放たれた絶光尖が命中し、翠がメサに突っ込んで土煙に消える。
それを見て、ヴィータが蒔風に向かおうとするがすでにユニゾンしていたリィンから警告が飛んできた。
『今のリィン達じゃ勝てません!!逃げて合流しないとですよぉ!!』
「・・・・クソッ・・・・チクショォ!!!!」
その言葉に、ヴィータがシグナムと共に飛行して逃走を図った。
翠を置いていくことには大いに抵抗がある。
しかし、ここで自分たちがやられてはなんのために彼女がここまで来て、さらには弾き飛ばされてしまったかわからない・・・!!
「絶光尖・・・・」
しかし、蒔風が小さくつぶやいた瞬間、再び放たれたそれがヴィータを背中から狙い、魔法陣でのガードを容易く打ち砕いてその体を貫通させた。
「ヴィータちゃん!!!」
魔法陣が突破される直前にユニゾン解除されて無事だったリィンが叫ぶ。
だが、その声で気付かれてしまったのか絶光尖がそのまま振るわれてリィンに直撃、小さな彼女の身体がメサに激突し、二人がほとんど同時にカードへと変わった。
絶光尖は一瞬の突貫力に秀でた攻撃だ。
つまり、攻撃範囲はピンポイント。
にもかかわらず、蒔風は打ち出してからのわずかな一瞬でリィンの位置を把握し、振るって命中させてきたのだ。
蒔風には余裕がある。
悠々と狙いをすまし、ピンポイント射撃を行うほどには、だ。
「ッッ!!!」
その事態にシグナムが歯噛みし、しかしそれでも速度を落とすことなく蒔風から離れようと上昇を続けた。
逃げ出すなんて彼女らしく、ひいてはベルカの騎士らしくないと言われるかもしれない。
しかし、彼女は嫌というほどに理解していた。
今の彼女ならば蒔風を・・・・確かに圧倒できるかもしれない。
だが、そこまでだ。勝てる見込みはあまりにも低い。
自分がやられることに恐れはない。とうにそれに対しての覚悟などできている。
しかし、無駄死にするつもりもさらさらないのだ。
せめて後から増援が来なければ、今この場では倒せない・・・・!!!
そのために、まずは退いた。
決して臆したわけではない。勝利のための、策である。
そうし
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