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世界をめぐる、銀白の翼
第二章 Lost Heros
VS薄緑決着
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「ゼァァアァァァああああああ!!!」



ゴン!!バッガァッ!!!!



「メリッ・・・ッて・・・・・ゲ・・・フ・・・・・ァ」


「もう無駄だよ。こうなったら・・・僕は倒せない」



理樹が猛然と攻めてくる。

それはそうだろう。彼は彼のできる内で最硬の防具であり、最強の武器を手に入れた。



しかも相手は満身創痍。
いまこそ攻め時だ。この男を倒し、すべてを終わらせる。


今はそれだけを考えればいい。
「戦闘」は彼の本性からすればあまり向いたものではないのだが、そうも言っていられない。


彼は温厚な性格だ。殴るや蹴るなどの行為を好ましいと思ったことはない。
しかし、この相手だけは許しておくべきではない。

何か理由があるならば、聞かせてもらう。


しかし、相手が話さないのならば、無理やり聞き出すまで・・・・・!!!




無論、その相手に対して蒔風が何もしていないということはない。
当然様々な手段を試していた。




絶対防御、という単語から、彼はかつて学園都市第一位に放った攻撃を試してみる。



獄炎弾




それが理樹の元へと一気に向かい、触れるか触れないかの位置で膨れ上がって飲み込んだ。
その火焔自体にはダメージを食らわずとも、周囲の酸素はなくなるはずだ。

前に第一位とやりあったときもそれで倒した。



しかし、この場合はまた別だ。



理樹はすでにいったんバリアを張って定着させている。
動き回るならその都度バリアを動かさなければならないため、ほかのバリアを展開させるほどの余裕はない。

が、立ち止まったとするならば、ほかのバリアを張るだけの余裕はある。


ゆえに、理樹は立ち止まってそれを受け、炎にのまれてからドーム状のバリアを一気に自分から膨れるように展開していった。


そのバリアに獄炎が内側から押しのけられてかき消された。




これは効かない。






では、固有結界はどうか?



しかし、これは蒔風が考えているうちにやめた。



この固有結界は「法則」を弄る。
だから「バリアを張る」という行動をとってもその通りになるとは限らない。

その動きが蒔風のためになるか、理樹のためになるか、それとも両者にとって有利不利になるかはわからないが、兎に角あのバリアは張れないだろう。


しかし、この固有結界にはある欠点があった。



「行動」にしか反応しないのだ。
つまり、発動した瞬間に動きを止めて突っ立っていれば何も「法則」は働かない。


これは術者である蒔風しか知らないことだ。
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